『イモート・オブ・ザ・リング』 乙鳥形奈
2012年 04月 05日
パロディというよりは、一種のメタフィクションなのかな。
主人公たちは異世界からの<転生者>で、その異世界が「指輪物語」そっくり。元の世界ではそれぞれエルフ、ドワーフ、ホビット、オーク等々で、トールキンは<転生者>から話を聞いて「指輪物語」を執筆した、もしくはトールキン自身が<転生者>だった?てな設定になっております。
キャラクターのネーミングや配置が原典を彷彿とさせることと、指輪の魔力をなんとかしなきゃ、という目的だけはなぞってますが、お話そのものは「指輪物語」をトレースしているワケではないので、原典を知らない人でも大丈夫だし、逆に原典を神聖視している方々も然程目くじらを立てずに読めるのではないかと愚行します。
『ウルトラマン妹』や『妹がスーパー戦隊に就職しました』に比べると、一番兄妹のラブラブ度が強いかな(っつーか、一方的に「お兄ちゃん大好き妹」が出てきます)。
他にも美女、美少女が沢山出てくるし、それぞれタイプが違うのでラブコメとしてもバカバカしく楽しめるんじゃないかと思います。ジュブポルノではなくラノベなのでドギツイ(?)描写もありません。
結局何も解決しないエンディングや、メインキャラの一人が途中で消えたまんまだったり(てっきりクライマックスで再登場するための伏線かと思ってましたが)、敵役も逃げたまんまなので、こりゃ続編を狙っているのかな。
「妹組」レーベルが今後も続くのかどうかわかりませんけど、パロディっぽい路線も悪くないかも。