『容疑者xの献身』
2012年 05月 14日
原作小説を読み、映画版も見に行き、実を言うと前回公演の時にも興味があったのですが、都合がつかなかったので今回やっと、という感じです。
あれだけボリュームのある小説を2時間ちょっとで上演するためには色々な改変や省略があり、また舞台ならではの効果を演出するために追加されたり膨らませたキャラクターがいるのは当然のことですが、お話を知っていてさえ最後まで惹きこまれました。
また映像化されたものは、湯川にしろ石神にしろ二枚目すぎるという点でリアリティに乏しいと思うのですが、その点もこちらの方が程良い匙加減だったかと。
ただ気になったのは、靖子が富樫を殺してしまったのが9日で、殺人事件があったと推測されているのが10日だというこのすり替え、原作だと湯川が靖子に「何故警察は9日ではなく10日のアリバイを確認したのか、不思議に思ったことはないか」と尋ねる場面が出てきますが、これが舞台版の台本にはないので石神の天才ぶりがもう一つ観客に伝わらないのではないか、ということなのですが。