『復刻!東映まんがまつり 1974年夏』
2012年 06月 17日
収録作品は『フィンガー5の大冒険』、『マジンガーZ対暗黒大将軍』、『五人ライダー対キングダーク』、『イナズマンF』、『ゲッターロボ』、『魔女っ子メグちゃん』の豪華6本立て。

お話はフィンガー5の5人がそのまんま本人役で登場し、ひょんなことから悪ガキ兄弟(畠山麦がいる!)とバスケットボール対決をする羽目になるというもの。でも花の精(ジニー・シムスという女の子が演じてるけど誰?)の助けを借りたり、とてもバスケとは思えないプレーが続出したりでスポーツ映画としては当然ながらアイドル映画としてもどうなのかなー?という出来栄え。まあ見るのは公開時以来だったので懐かしかったですよ。覚えているのは仮面ライダーV3がちょこっと登場するカットだけでしたが。あとは石ノ森先生ご一家が勢揃いしているのも貴重でしょうね。
『マジンガーZ対暗黒大将軍』は何度見ても傑作。ドクター・ヘルの機械獣とは違うミケーネの戦闘獣の筈なのに、劇中で「機械獣」と「戦闘獣」が混同されているのが気になるし、ゴーゴン大公はなんでマジンガーZのことを暗黒大将軍に報告しなかったのかとか、予言者(=兜剣造博士)はもっと早く息子の甲児を助けにグレート・マジンガーを出撃させるべきだろうとか、まあ色々ありますけど、上映時間が43分とは思えないほどの充実ぶりです。
そういえばこの作品では剣鉄也をデビルマン=不動明でお馴染みの田中亮一が演じてますが、これは正式キャスト未決定だったための暫定措置、というのが定説。本番(TVシリーズ)では野田圭一になっているのですが、最近になって実はキャスト交代だったという話を聞きました。確かにシリーズに登場した鉄也と企画段階の鉄也は、少々異なるキャラクターだったことが公開されている資料からでもわかります。ということは劇場版の段階では田中亮一に内定していたものの、その後のキャラの手直し・見直しの結果、野田圭一に変更になった、という可能性もあるのかも知れませんね。
お次は『五人ライダー対キングダーク』、これは何度も書いてますけどちっとも面白くありません。5人ライダー対GOD怪人軍団の対決、新怪人コウモリフランケンの登場、とキャラクターやシチュエーションは充実しているんですがねえ。
スケジュールがタイトだったというのは広く知られているようですが、神敬介役の速水亮は冒頭部分だけで殆ど登場せず、ゲストライダーも声のみ。しかもクレジットさえされていません(ライダーマンだけはスケジュールの関係かオリジナルキャストではありません)。スーツアクターもTVメインの人たちではなさそうですし、アクション部分の効果音がまるで別物。こういうところでも違和感覚えるんですよね。
左腕にカセットアームを装着し「俺は仮面ライダー4号!」と名乗るライダーマン、「2号ライダーキック!」とか「ライダー2号キック!」とか珍妙な技の名前も飛び出すし、どうしてこうなってしまったのでしょうか。5人ライダーも全く連携取れてませんし。
見所はゲストヒロインの水の江じゅんのみ!(お、言い切った)
その劇場用新作『五人ライダー対キングダーク』より面白かったのが、TVシリーズのブローアップ版の『イナズマンF』。子ども向けとはとても思えない、今の<スーパーヒーロータイム>の枠内じゃまず放送出来ないであろうハードな12話「幻影都市デスパー・シティ」がセレクトされていますが、それでも子ども心にも印象に強く残ってました。理解はとても出来ませんでしたが。ゲストヒロインの久万里由香、綺麗。
『ゲッターロボ』は第6話「恐竜!東京ジャック作戦」のブローアップ版。リョウとハヤトはメチャ仲が悪いし、神谷節もまだ定着していないので「ゲェッタァーービィーーーームッ!」などの叫びが違和感タップリ。これはこれで新鮮ですけど。
余談ですが、ゲッターロボの「ゲッター」が「ポイント・ゲッター」から来てるとは思いませんでした。だから恐竜帝国の帝王の名前が「ゴール」なのね。
残る一本は『魔女っ子メグちゃん』。こちらは第1話「すてきな魔女がやってきた」。
『メグちゃん』は再放送なんかで何度か見てますが、それでもちゃんと見るのは四半世紀以上ぶりでしょう。それにしてもメグちゃん、色っぽいですねー。荒木伸吾絵+吉田理保子声の破壊力は凄まじいものがあります。メグちゃんの魅力は不変!リメイクして欲しいとは思いませんが、このまんまの絵で動く新作は見てみたいかも。でも声が難しいかあ・・・。
そういえばこの6本立て、石ノ森章太郎関連が3本、永井豪関連が2本、そのどちらでもないのはこの『メグちゃん』だけですねえ。やはりこの二人は偉大だ。

<追伸>
当時は知らずに歌ってましたけど、フィンガー5の楽曲ってかなり意味深な歌詞が多いですねえ。当時の晃や妙子の実年齢を考えると尚更。
