『清須会議』 三谷幸喜
2012年 07月 06日
信長の三男・信孝を推す勝家と信忠の嫡男である三法師を擁立する秀吉が真っ向から対立するも、血筋から言えば正統であることや、逆賊・明智光秀を討った秀吉の発言力の大きさから後継者は三法師と決まり、結果的には織田家の分裂・衰退に繋がり、秀吉が天下獲りへの足掛かりをつかんだという「歴史上の大イベント」の一つ。
てなことは多少なりとも歴史に、特に戦国時代あたりに興味を持っている人なら知っているんだろう。帯には「日本史上、初めて会議で歴史が動いた瞬間 誰が最後に笑うのか?」とあるけれど、派手なドンパチのある合戦ではなく、この本音と建前、虚々実々の心理戦を勝家、秀吉、長秀、一益、恒興、前田利家、黒田官兵衛、前田玄以、堀秀政、寧、信雄、信孝、織田信包、お市ら当事者たちのモノローグを中心にして描くというのだから、なかなか目の付けどころが違うなあと素直に感心。わざわざ「現代語訳」で表現しているのも読みやすいし、キャラクターの主張がストレートに伝わってくるので面白い。
実際の各登場人物たちの立ち位置や思惑は、巷間伝わるものとはかなり違うという説もあるものの、このお話に関してはストレートに「俗説」を採用しているので、流れにも付いて行きやすい。後はこれをどう「映画」として料理していくのか、誰がどの役を演じるのか、来年の公開を愉しみに待とう。うん。
図書館レンタ本。 「リアルうつけ」信雄。期待を裏切らないうつけっぷりが素敵。 恒興の小物っぷりも同様。 映像にしたらすごく輝くだろうなこのふたり。 あと、アイキャッチ的な滝川一益。 生誕50周年記念「三谷幸喜大感謝祭」のラストを飾る、満を持しての書き下ろし小…... more
TBありがとうございます!
評価が分かれる作品ですが、これはこれで面白いですよね。
映画の前に小説を読んでおけば、展開がわかるだけでなく
エクスカリバーさんの仰る「料理」の仕方に注目できるので
これまでの三谷作品とは少し違った視点で楽しめそうです。
キャストもそろそろ発表になる頃合ですよね。
来年公開になりましたら、
エクスカリバーさんの感想文を参考に劇場に行くかどうかを決めたいと思います(笑)。
で、おっと?!私が観測気球ですかあ?
あんまり参考にならないんじゃないかと・・・(苦笑)。
まだスタッフ、キャスト、公開時記等々の詳細が発表されてませんので明言は避けますが(爆)、今のところは見に行くつもりではおりますがねえ(と、予防線を張っておく)。
ただ、やっぱりこの作品って映像化しない方が良いような気が今更のようにしてきてます。
ラジオドラマか、さもなきゃ朗読劇あたりでどうでしょう?
といいつつ、三谷「監督」としては勿論「勝算あり」と思って作ったお話なんでしょうけど。