『舟を編む』 三浦しをん
2012年 07月 12日
「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」
そして彼らが作ろうとしている辞書の名前が『大渡海』、そこで「舟を編む」イコール「辞書の編集」を意味しているのだとわかります。
それでも辞書の編集者たちでどんなドラマが繰り広げられるのか、イメージ出来ませんでしたね。特にそれが、2012年の「本屋大賞」の第1位に輝くほど支持されるようなお話になるのだとは。
物語は荒木という人物の描写から始まります。小さい頃から言葉に興味を持っていた彼は、長じて出版社に就職し、辞書作成一筋の人生を送るようになります。その荒木が長年の付き合いである学者の松本と一緒に新しい、最後の大仕事を始めようとしているのですが、自分の定年まであと僅か。何とかして後継者を見つけようとしている、というのがプロローグです。編集部員の西岡の推薦で馬締という男を見つけた荒木は、彼に後を託すことを決意し、以後は馬締が主人公格となって話が進んで行きますが、真面目で不器用な馬締に対して、容量が良いものの軽薄な西岡との対比や、西岡の馬締に対する意外なコンプレックスやら、ラブコメの如き馬締の恋愛ドラマだとか様々な展開を見せていきます。
最後は無事に『大渡海』が完成するところで幕が下りますが、その間に実に15年もの歳月が流れ、多くの出会いや別れも積み重ねられていきます。笑える部分あり、ホロっとさせられる部分あり、なるほどこれは惹きつけられる物語だなあと感じました。
そして辞書作りに熱中する、良くも悪くも「変人」である馬締たちの仕事ぶりには、自分も何かしなくてはなあという向上心を刺激されると同時に、高揚感、使命感、達成感も味わわせてくれるものになっていて読後感も爽やかでした。
ちなみに「本屋大賞」は今回が9回目になるようですが、過去の第1位となった8作品はいずれも映画やTVドラマなどで映像化され、更に舞台化やラジオドラマ化、コミック化されているものもあり、10位以内にランクインした作品の多くもやはり映像化等々されているものが少なくありません。ということはこの作品もその可能性があるのでしょうか。映像で見せるには少々難しい題材かと思いますが。
【追記】
妙にタイムリーでしたが、映画化決定のニュースが流れました。
来年4月公開予定で、監督が石井裕也、出演は馬締光也に松田龍平、林香具矢に宮崎あおい・・・えーっ? 自分のイメージとはえらく違うんですが、これが一般的なイメージなんでしょうか???
まあ「岸辺みどり」ならば、宮崎あおいもアリかなあという気はしますが・・・・・・。
(2012/7/13)
映画化決定ですか!?
松田龍平&宮崎あおい、私もイメージが合いません。
香具矢は可愛らしいより美人ですよねぇ。
TB&コメ、有難うございました。
松田龍平&宮崎あおい、やっぱりイメージ違いましたか。良かった、自分だけじゃなかったんだ(笑)。
>香具矢は可愛らしいより美人ですよねぇ。
そうですよね。一見すると近寄りがたいぐらいの美人、ってイメージがありますね。さて、誰が適役だろうか?
TBさせていただきました、って
うまくできたか、不明なんですけど。
私も以前、「こまねこ」ちゃんに居てもらったので
懐かしかったです。
映画のキャスティングは、私も「ちょっと、違う…」
と思いました。
でも、誰か?と問われれば、難しい~。
いらっしゃいませ、ちゃんと届いております!有難うございました。
>この作品では、屈折した面も見せるものの最後まで「イイ奴」である。
>あっさりと抑制を効かせているので「爆涙もの」にはなっていない。
そうですねー、もっとドロドロした展開になるのかいな、と不安に思ったりもしたのですが、基本みんな良い人ばっかりで、そういう点ではリアリティに欠けてるのかも知れませんけど・・・。
ただ、こんな長い時間が経過する物語だとは、最初のうちは想像もつきませんでした。
辞書作りって大変なんだなあ。でもこういう職場で働きたい、というのは同感です。やりがいはありますね。
キャスティング、松田龍平は何とかこなしてくれそうな気もしますけど、宮崎あおいじゃ別人ですよね?





