『トータル・リコール』(1990)
2012年 07月 16日
帰宅途中、ダグは何者かに襲われるが、その正体は職場の同僚だった。更に帰宅した彼は、妻ローリーからの襲撃も受ける。これまでのダグの記憶は植えつけられたものであり、ローリーも妻ではなく彼の監視役だったというのだ。
やがてダグは、彼そっくりのハウザーと名乗る男のメッセージを発見。何らかの目的のためにハウザーの記憶を消された状態がダグであり、それを確かめるべくハウザーの指示通り火星へと飛ぶダグ。そこで彼は、夢の中で再三出会っていたのとそっくりなメリーナという女性と出会う。メリーナは彼を裏切り者と責めるのだったが・・・。
フィリップ・K・ディックの短編小説『追憶売ります』を、ポール・バーホーベン監督がアーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化、他にレイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、マイケル・アイアンサイド、ロニー・コックスらが出演し、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当。プロデューサーはマリオ・カサールとアンドリュー・G・ヴァイナで、カロルコ・ピクチャーズの絶頂期の一本。
メモを読み返していたら、この作品、正月の2日に映画館で見てる。しかも『ディック・トレイシー』とハシゴしてたとは、なかなかこってりしたお正月を過ごしていたんだなあ(苦笑)。
その後はTVシリーズになったり、あるいはシュワちゃん主演で続編の企画が立てられたりしていたけれど(これが後にスティーブン・スピルバーグ監督、トム・クルーズ主演の『マイノリティ・リポート』に転じた?)、この度コリン・ファレル主演でリメイク版が作られたのに合わせて引っ張り出してきたが、今見ても面白いじゃん、これ。
鼻の穴から機械を突っ込んで、頭の中にある発信器を取り出したり、火星の大気の中に放り出されて目ん玉剥きだしたりと、なんだかシュワちゃんの顔芸ばっかり記憶に残っているんだけど、多少バイオレンス過多気味ではあるもののアクション映画としても、そして誰が敵で誰が味方か、というより自分は一体誰なんだ?という謎解きサスペンス物としても良く出来てると思う。
太ったオバさんに偽装したダグの、その正体がばれるシーンのSFXなど、まだCGのない時代としてはかなりの出来栄えで、もしかするとシュワちゃん映画の最高傑作は案外この作品だったりして。
執拗にダグを追い続けるマイケル・アイアンサイドの偏執的な強面ぶりも良いし、何といってもローリー役のシャロン・ストーンが絶品。セクシーな悪女の、今風に言うと「エロカッコ良さ」はくるものがありますな。マリオ・カサールに気に入られたたんだか、ポール・バーホーベンに気に入られたんだか、この後シャロン・ストーンは『氷の微笑』でブレイクするのは御承知の通り。反対に、正ヒロインの筈のレイチェル・ティコティンが地味に見えちゃったのは誤算だったのかも。その後もコンスタンスにキャリアは重ねているようだけど。
ちなみにリメイク版ではケイト・ベッキンセールとジェシカ・ビールがそれぞれ演じるとのことで、これは楽しみですな。
ラストシーンは、独裁者が斃れ、移住者たちは解放され、主人公もハウザーではなくダグの人格を選ぶというハッピーエンドなのだが、監督のコメントなどから察すると、どうやらこれはアン・ハッピーエンドらしい。というのは、これは全てダグの夢、空想の世界の話であり、その世界から彼は戻れなくなってしまっている、というオチなんだとか。
それはちょっと捻り過ぎというか、あまりにも「夢がない」と言うべきか・・・。
ところでジェリー・ゴールドスミスが作曲したこの作品のテーマ曲、凄く格好良いのだけど、何故か同じシュワちゃん主演の『コナン・ザ・グレート』のテーマ曲(ベイジル・ポールドゥーリスの作曲)と似た感じなのが当時から気になって仕方ない。
そして更にこのテーマ曲そっくりなのが『恐竜戦隊ジュウレンジャー』主題歌のイントロ部分。これ、訴えられても文句言えないレベルなんじゃ?
いやこれいつ見ても例の有名シーンがものすごいですね。幼なながら昔衝撃をうけたのですが…今見てもやはり衝撃的、傑作SFです。これ大好きなのです。 いまのようにCGの無い時代でここまでの描写は本当にすごいです、火星での顔面崩壊(目玉が飛び出てるよ)、女性の顔の中からシュワちゃんの顔が現れる偽装変身シーンはもうほんとに頭に焼き付いちゃって忘れられないインパクトでした。この特撮技術が映画史で重要な転機になったようですが、それもうなづけちゃう。あ、「鼻から機械を抜き取る」シーンも忘れちゃいけないですね! ...... more
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