『ロッキー』(1976)
2012年 07月 22日
うだつの上がらない無名のボクサーが、ふとしたことから世界チャンピオンの対戦相手に指名されるという物語は、やっぱり何度見ても燃えますねえ。
これ一本で、やはり無名俳優だったシルベスター・スタローンも一躍スターダムを上り詰め、作品世界同様アメリカンドリームは存在することを知らしめたという点でも歴史に残るだろうし、「もし15ラウンドが終わってもまだ立っていられたら、俺はただのチンピラじゃなかったことを証明出来る」という台詞にも痺れます。
正直言うと中盤までの展開には些かまだるっこしさを感じはします。

またロッキーとエイドリアンの不器用な恋愛模様にイライラさせられる、ということはないんですが、エイドリアンの兄ポーリーの存在には終始イライラさせられっぱなしで、これはシリーズが完結するまで続きました。苦手というよりも許せないタイプのキャラクターなんですね、自分にとって。
とまれ、2時間の映画のうち、最後の約30分間はロッキーとアポロとの死闘に割かれていますが、この場面は先の展開が分かっていても手に汗握って興奮してしまいます。
そしてラスト、判定の結果ロッキーは敗れアポロが辛うじて王座を死守しますが、ここでロッキーに勝たせなかったのも良いですね。ロッキーにとって勝ち負けよりも、自分自身を証明することが大事だったのですから。
まあそのラストだからこそアポロとの再戦を軸に続編が作られ、ドル箱シリーズとなったのですから結果オーライでしょう。スタローン自身がそこまで想定してシナリオを書いていたかどうかはわかりませんが。

3.1点 汗臭くていい。 ロッキー〈特別編〉 あらすじ: 借金の取り立てをしながらうだつの上がらないボクサー人生を送っていたロッキー。その年のヘビー級チャンピオンアポロの対戦相手が負傷しアポロは偶然...... more

この映画は、何か不思議な「人間の可能性」のような物を、見るたびに感じます。
アメリカの、そして世界中の聴衆がこの映画をそしてスタローンを惜しみない拍手で称えた気持ちが、自分が歳をとっていくにつれて、よく解ってくるような気が致します・・・。
歳食った証拠でしょうか(苦笑)。