『オペラ座の怪人』 ガストン・ルルー
2012年 08月 08日
しかし、なんだかなー。
実際にあった事件の取材記という体裁で語られているのですが、情報を小出しにして読者を引き付けようとしているんでしょうが、頭が固くて融通の利かない人たち、自己主張の激しい人たちが話をややこしくしているだけ。
クリスティーヌは主体性がなくKYな不思議ちゃんだし、ラウルは自己陶酔型の泣き虫少年、ファントムは自己チューなストーカー、マダム・ジリーは頑固なジリーおばさんだし、鍵を握るのは謎の<ペルシャ人>ときたもんだ。
アンドリュー・ロイド=ウェバーはよくもまあ、この小説から珠玉のラブ・ストーリーを紡ぎ出したものだと驚くばかりです。
ということは、原作ファンからすればあのミュージカル版は改悪もいいとこなんでしょうが、劇作としてどちらが優れているかというと、これはロイド=ウェバー版に軍配を上げたいと思います。音楽込み、ですが。
ですが、別の人が書いた後日談『ファントム』『マンハッタンの怪人』は読んでいるんですけどね。
原作はチャレンジした記憶がありますが、たぶん最初のページで文体で挫折したのかもしれません(^^;
「オペラ座の怪人」に情熱と愛情を注いでいるのでなければ、無理して読むほどの内容ではないかも(苦笑)。
そして今は「マンハッタンの怪人」を読書中。
これ、ルルーの小説の続編ではなく、ロイド=ウェバー版ミュージカルの続編というスタンスみたいだね。