『十三人の刺客』(1963)
2012年 08月 16日

まあ千恵蔵の島田新左衛門に対するならば、鬼頭半兵衛は市川右太衛門かなあと思わないでもないですが。
武士が実戦を知らない時代という設定なので、綺麗なチャンバラじゃないところが面白いですね。千恵蔵御大は別格なんでしょうが、里見浩太郎クラスでも腰の入ってないへっぴり腰の泥臭い斬り合いを演じてます。
そして集団戦。これがお約束事のチャンバラ劇ではない、生と死の間でのギリギリのやり取りを上手く引き出しているように思います。その反面、画面は見辛く、今映っているのは誰なのか、どこに誰がいて何をしているのか、といった部分は見えにくくなってしまっているのは諸刃の剣と言えるのかもしれません。

聴いていると所々で馴染みのあるフレーズが流れてきますが、画面に合っているかと言われるとちょっと・・・という気がしないでもないですが、それでも映画全体の泥臭さを強調する効果はあったかと。
そういえば最近知ったのですが、将軍の弟で暴君との逸話が残る明石藩主は、実は松平斉韶ではなくその養子として、実子を差し置いて家督を相続した斉宣の方なのだそうで。
敢えて変更したのかそれとも単なる間違いなのか、どちらなのでしょうか。