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『十三人の刺客』(1963)

先日舞台版を見に行ったので、やっぱりオリジナル版を見直したくなりました。
『十三人の刺客』(1963)_e0033570_2236327.jpg既に時代劇の黄金期は過ぎていた頃だと思いますが、それでも片岡千恵蔵、里見浩太郎、内田良平、丹波哲郎、嵐寛寿郎、西村晃、月形龍之介、山城新伍、菅貫太郎、和崎俊哉、汐路章・・・という面子を揃えられるのは流石に東映といったところでしょうか。
まあ千恵蔵の島田新左衛門に対するならば、鬼頭半兵衛は市川右太衛門かなあと思わないでもないですが。

武士が実戦を知らない時代という設定なので、綺麗なチャンバラじゃないところが面白いですね。千恵蔵御大は別格なんでしょうが、里見浩太郎クラスでも腰の入ってないへっぴり腰の泥臭い斬り合いを演じてます。

そして集団戦。これがお約束事のチャンバラ劇ではない、生と死の間でのギリギリのやり取りを上手く引き出しているように思います。その反面、画面は見辛く、今映っているのは誰なのか、どこに誰がいて何をしているのか、といった部分は見えにくくなってしまっているのは諸刃の剣と言えるのかもしれません。

『十三人の刺客』(1963)_e0033570_22371933.jpgまたこの作品、音楽を担当しているのが伊福部昭なのです。
聴いていると所々で馴染みのあるフレーズが流れてきますが、画面に合っているかと言われるとちょっと・・・という気がしないでもないですが、それでも映画全体の泥臭さを強調する効果はあったかと。

そういえば最近知ったのですが、将軍の弟で暴君との逸話が残る明石藩主は、実は松平斉韶ではなくその養子として、実子を差し置いて家督を相続した斉宣の方なのだそうで。
敢えて変更したのかそれとも単なる間違いなのか、どちらなのでしょうか。
by odin2099 | 2012-08-16 23:05 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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