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『アベンジャーズ』 アリソン・ローウェンスタイン:著/ジョス・ウェドン:脚本

竹書房文庫から『アベンジャーズ』のノベライズが出てます。何故かあんまり置いてる書店がないんですけどね。大きめの書店でも見かけなかったり・・・・発行部数が少ないのか、それとも書店の側で「売れない」と判断してるのか・・・。

『アベンジャーズ』 アリソン・ローウェンスタイン:著/ジョス・ウェドン:脚本_e0033570_2328822.jpgさてこの本、『アベンジャーズ』のノベライズではあるものの、半分は過去作品のダイジェストに費やされています。即ち『アイアンマン』、『インクレディブル・ハルク』、『アイアンマン2』、『マイティ・ソー』、そして『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(ただし『アイアンマン2』のパートはほぼ割愛されてますね、紙数の関係からか)の5作品からの引用場面が、概ね時系列に沿って紹介され、それを受ける形で後ろ半分が『アベンジャーズ』のストーリーになっていますので、過去作品を見たことがない人でも作品世界に入り込めるように工夫されています。

その反面、前半部分は殆ど粗筋紹介に徹してますし、後半部分にしたってト書きでの説明が主で会話らしい会話シーンもロクになく、”小説”としては非常にお粗末なものになってしまってますね。
読み応えという点では不満足で、これは分量を考えれば致し方ないところですが、そもそも企画として詰めが甘かったということでしょう。
また映画の流れとは違う部分もかなりあり(これは過去作部分も含めて)、読んでいると違和感を覚える箇所もチラホラ。全体的にちょっと残念な出来になってしまってます。

しかしここで気になるのは「石田享:編訳」というクレジット。
「編訳」ということは独自のアレンジが入っているということ?抄訳版?
・・・改悪されていないことを祈っております。
by odin2099 | 2012-09-09 07:31 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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