この8巻から第二部がスタート。

解放王アルスラーンが即位して3年、奴隷制度を廃止したパルスに、諸外国は警戒の色を強める。ミスル、チュルク、トゥラーン、マルヤム、そしてシンドゥラ。ナルサスに恨みを抱くシャガードはミスル国王ホサイン三世に接近、ホサイン三世は逆にシャガードをヒルメス王子に仕立てパルス侵攻を目論む。マルヤム王国では、ルシタニアの生き残りである大司教ボダンと王弟ギスカールが激突。一方でチュルクは突如パルスとシンドゥラの国境へ攻め込むが、この宮中には本物のヒルメスがいた。またパルス国内においても、現体制に不満を抱く没落貴族たちを炊き付けアルスラーン暗殺を吹き込む輩がおり、またパルスとシンドゥラとの同盟の切り崩しを図る陰謀もめぐらされ、その蠢動の陰でうごめく不気味な影は王墓を暴きアンドラゴラスの死体を運び出す・・・。
というワケで、束の間の平穏と呼べるような日々が終わりを告げ、アルスラーン一党には新たな試練が待ち構えているのであった。
本来なら重苦しい展開なのだが、お馴染みのキャラクターたちの軽妙なやり取りにはついつい頬が緩んでしまう。
先が待ち遠しいシリーズの一本なのだが、まさか四半世紀も経って未だ完結していないとは想像出来なかったなあ・・・。