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『ホビット/思いがけない冒険』(2012)

『ホビット/思いがけない冒険』(2012)_e0033570_19185920.jpg三部作で描く『ホビットの冒険』の第一部、今回はHFR 3D、3D、2D、そしてそれぞれ字幕と吹替版と様々なヴァリエーションで公開されてますが、2D吹替版で早速見てきました。

お話は原作でいうところの第1章から第6章まで。
原作通りならば結構ほのぼのとしたものになるところですが、そこは『ロード・オブ・ザ・リング』との整合性が図られ、殺伐とまではいきませんが、”おとぎ話”ではなく”史劇”であり”アクション映画”というレベルにまで修正されています。
原作の長閑な感じ、いかにも”むかしばなし”といった体裁がお好みの人には不満が残るでしょうね。

『ロード・オブ・ザ・リング』との整合性という面では、まずはじまりの部分の改変が上げられます。
物語は老いたビルボがフロドに昔の冒険を語りかける、という形で始まるのです。
このプロローグには老ビルボを演じるイアン・ホルムとフロドを演じたイライジャ・ウッドが参加、当時と変わらぬ姿を見せてくれます。
吹替版だと声も同じ山野史人と浪川大輔、流れる音楽もお馴染みの「ホビット庄のテーマ」です。
しかもこの日はビルボの誕生日、ということでそのまま『ロード・オブ・ザ・リング』の第一部「旅の仲間」の冒頭シーンへも繋がる仕掛けになっていますので、若干のややこしさは残りますが旧作からのファンにはニヤリものです。

その後は大筋において原作通りに展開されますが、原作のようなワクワクドキドキの冒険と違って生死の境目、ギリギリで繰り広げられる苦闘、苦難という感じになっているのが大きな違いでしょうか。
また本来の原作で『指輪物語』と共通するキャラクターといえば、メイン格のガンダルフ以外には裂け谷のエルロンド卿しかいませんが、今回の映画版では更にガラドリエルやサルマンも登場させるというサービスぶり。
迫りくる危機への対処法が話し合われます。
そして見え隠れするサウロンの影――これらは60年後の世界を描いた『ロード・オブ・ザ・リング』への伏線ということになりますね。

『ホビット/思いがけない冒険』(2012)_e0033570_19192678.jpg
そして旧作からは重要なキャラクターであるゴラムが登場。
なぞなぞ合戦を経て”一つの指環”がビルボのものになる過程が丁寧に描かれて行きます。
この場面、旧作の『旅の仲間』でもチラっとだけ出てきますが、結果がわかって見ているだけに色々と考えさせられますね。
このあたり、『スター・ウォーズ/エピソード1』を始めとする新三部作を見た時と似たような感慨がありました。
どちらも、一度は完結した作品世界の中、しかもその始まりを描くという過去の時代へもう一度旅立てるという同種の体験を促してくれましたから。

上映時間は170分。
多少長いかなとは思いますが、丁寧に作られていて感動モノでした。
13人のドワーフは正直言って誰が誰やら、せいぜい区別のつくのが4~5人ではないかと思いますが、なかなか賑やかで楽しいですし、美しいニュージーランドの風景はこれぞ「中つ国」。
懐かしい場所で懐かしいメロディが流れ、そしてすっかりお馴染みになったキャラクターが同じ役者さんで戻って来てくれる、これは滅多に出来ない贅沢だと思います。

第二部『ホビット/スマウグの荒らし場』は2013年12月13日、第三部『ホビット/ゆきて帰りし物語』は2014年7月18日の公開ですが、先が待ち遠しいです。
その前にもう一度映画館へ行こうかな。
DVD等ではこれから何度も見直すでしょうが。

【ひとこと】
ガンダルフ(イアン・マッケラン)は、やはり羽佐間道夫のイメージと違いますねえ。
旧作で担当した有川博が物故されたのが惜しまれます。
またそれ以上に辛く感じたのはサルマンを演じたクリストファー・リーの家弓家正。
声に全く張りがなく、ちょっと心配です。

Commented by 小夏 at 2012-12-18 11:28
年末年始に観る予定です。
なるほど、ガンダルフの吹替えは前作のイメージと違いますか・・・うーん。
先に見てきた友人が、「予想以上に吹替えが良かった」と言っていたこともあり、
字幕vs吹き替えで悩んでいたのですが、どうしようかなぁ。
Commented by odin2099 at 2012-12-18 22:49
おお、小夏さん、お久しぶり♪

字幕版を見てないので比較出来ませんが、吹替版は良く出来てると思いますよ。
ガンダルフも「LOTR」の時から羽佐間さんだったら文句なかったのかも知れませんけど、有川さんのイメージが強すぎて・・・。
あとはサルマンの家弓さんがヤバい!というところが難点でしょうか。

今回僕は2Dで見ましたが、もし3Dを選ばれるのであれば、尚更吹替の方が良いんじゃないかと思います。
Commented by sakurai at 2013-01-01 21:47
あけましておめでとうございます。
ツィともども、今年もよろしくお願いします。
年末、ちょいと忙しく、放置状態でした。
すいません。こんなスチャラカですが、今年もいろいろとかまってください。
いろいろと言われてるようですが、やはり前作の完成度が高すぎましたもんね。
それでも十分素晴らしい作品だと感じてます。
続きが楽しみ!あたしは、字幕で行きますよ。
Commented by odin2099 at 2013-01-01 22:51
sakuraiさん、今年も宜しくお願いします。

なんか日本では苦戦しているようなので心配です。やっぱり「LOTR」を引き合いに出してもっと前宣伝すべきだったんではないかなあ。いくらヒットしたからといって、日本では10年も前の作品に大きなパワーがあるのはレアケースだと思います。最近特に消費のサイクルが短くなってるように感じてますし。
それにPJ監督、「スター・ウォーズ」の新三部作を反面教師にしたんでしょうかね。
同じような立ち位置なのに、整合性と一体感には雲泥の差がありますな。

出来たらもう一度見に行こうかな。今度は字幕で。3Dはいいや。
Commented by メビウス at 2013-01-07 22:00
エクスカリバーさんこんばんわ♪遅くなりましたが明けましておめでとうございます。そしてTB有難うございました。

ロード・オブ・ザ・リングは一応前3部作を鑑賞していたのですが、なにぶん十年くらい経っちゃったものですから、人物等諸々でかなり忘れちゃってる部分もありました^^;・・ただその分初見のような気持ちで新鮮に観る事も出来ましたし、エクスカリバーさんが仰ってるようにビルボが旅に出て指輪を手に入れたりする過程がとても丁寧に描かれているので、自分も170分は然程長くは感じませんでした。

個人的に今年度末公開される第2章も楽しみではありますが・・・やっぱり興収よろしくないんですね・・^^;ドラゴンがチラッと見える終わり方といい、不発に終わった『エラゴン』を思い出してしまいました・・。どうなることやらぁ(汗
Commented by odin2099 at 2013-01-08 20:20
メビウスさん、今年も宜しくお願いします。

最初は「ホビットの冒険」は1本、長くても2本でまとまるんじゃないか、と思っていたのですが、実際に出来上がった作品を見て、PJ監督のやりたいこともなんとなく頷けるようになりました。
「LOTR」は見ていなくてもお話はわかるのかなあとは思いますが(前日譚ですから)、やはりこれは「スター・ウォーズ」と同じで、時系列順よりも製作順の方が楽しめると思います。
また気になる興行成績も、全世界的には大ヒットなので問題はないでしょう。もしかすると日本では2作目以降の公開規模が若干縮小される可能性もありますけど、逆にこれからDVD&Blu-ray発売に絡めて巻き返しを図って来るのでは?と考えています。
ともあれ次が待ち遠しいですね!
Commented by Nakaji at 2013-01-15 21:21
こんにちは♪
実は・・・ロード・オブ・ザ・リングは見たことなかったんです。。。

>「スター・ウォーズ」と同じで、時系列順よりも製作順の方が楽しめると思います

なるほど。。。やっぱり見てみようかな~
Commented by odin2099 at 2013-01-15 22:40
『ロード・オブ・ザ・リング』を見てなくても楽しめる、というのが宣伝文句ですけれど、これは当然のことながら見ている方がより楽しめます。
単純に、セットやロケ地が前のまんま再現されているので感激するというのもありますし、どこかで見たような場面に馴染み深いメロディーが流れてくるだけで、「ああ、中つ国に帰って来たなあ」という感慨を味わうことが出来るとか、そういうのもあるのですが、映画がリンクを前提に作られているのです。
なので『LOTR』をご覧になると、ああ、こことここが繋がるのか、という発見がある筈。それに気付くと他人に比べて得した気分になれます。
Commented by まるひげ at 2013-03-13 00:40
おばんです!コメント遅くなりまして申し訳ありません。
このシリーズは以前から吹替版の方が評判良いですね。確かに字幕版は「意味はわかるけど、そういう訳になっちゃうの?」という箇所がチラホラあって気になったような。
DVDで吹替版音声と日本語字幕にすると違いがすぐわかって面白いのですが…目が忙しくなりますね(苦笑)。
映画は良い意味で原作改変してくれているので、2作目のオリジナル部分にも期待です。

それにしても、DVD版が来月発売とは早いものですね!
ドワーフのおっさんたちを区別できるよう目を鍛えたいと思っております。
Commented by odin2099 at 2013-03-13 22:15
日本語字幕+日本語吹替はよくやります。
最近はどちらも同じ人が担当したりもしますが、基本は別の人なので「あれれれ?」と思う箇所があり、それはそれで愉しみだったりもしますけど。
『LOTR』は字幕担当者が叩かれまくりましたからね、同時期の『スター・ウォーズ』新三部作と同様。まあ吹替版もキャスト含めて良い出来だったなとは思いますが。

DVD、出るのが早いですが、ご多分に漏れず今回も<SEE>が出るようで、商売上手いなあ。
こちらは年末ぐらいという話ですが、そっちを見ないと全貌が掴めないってことなんですかね。

ドワーフのおっさん、とりあえず識別は諦めました(^^ゞ
まあ前のシーンとの繋がりだけ覚えておきます。
Commented by maki at 2013-04-21 08:53
やっぱり、「中つ国にかえってきたなあ」という感慨深い気持ちになる作品でしたね。
声の担当が違っていたのは、吹き替えの方が亡くなってしまわれていたからなのですね。私は吹き替えで見ましたが、そう違和感はないように感じました…というか全然気づきませんでした(笑)
クリストファー・リー御大もまだお元気そうでよかったですが、だいぶ衰えてきていた様子…吹き替えでも力不足で大丈夫かな…なんて思ってしまったりも。
LOTRの主要人物たちが再登場したりと嬉しいサプライズが今後も続くようですし、続編がたのしみであります
魔法使い、ホビット、ドワーフ、ドワーフ、ドワーフ、ドワーフ、ドワ…(略)というかなり偏った面子ではありますが、そのおかげ?かドワーフばかりであまり種族の小ささを感じなかったですね
イケメンドワーフがいるのも、違和感がなかったというか(笑)
Commented by odin2099 at 2013-04-21 18:23
『スター・ウォーズ』のEP1~3を見た時も、タトウィーンの風景に懐かしさを感じたものですが、この作品の中つ国の再現度合いの方が徹底してますね。
オリジナルキャストの方々も、思っていたよりも変わってなかったので安心しました。
クリストファー・リー御大も、本人はお元気そうですが、吹替の家弓さんの声の衰えぶりにビックリ。この後の二部、三部にサルマンが登場するかどうかはわかりませんけれど、もし再登場した際にひょっとしたら…? なんてことも考えてしまいました。

ガンダルフは……そうなんです。有川さんの声、気に入っていたので残念でした。
『X-MEN』のソフト版でもマグニートーを演じていらっしゃいましたからね、2作目以降ですけれど。
羽佐間さんだと、やっぱりちょっと違うなあ。
by odin2099 | 2012-12-15 19:21 |  映画感想<ハ行> | Trackback(36) | Comments(12)

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