『GALAXY EXPRESS 999/ULTIMATE JOURNEY』(上)
2013年 01月 02日
『銀河鉄道999』の公式同人誌として発売されていたものを、上下二巻の単行本として再構成したもの。下巻は年内発売予定となっているのだが、いつだ? また同人誌も最近Vol.4が発売されたようだけれど、上巻はVol.3までとほぼ同一。推敲を重ね小説として体裁を整えたものになっているが、一般書籍と同人誌、ずっと二本立てで進めるつもりなんだろうか。
お話は『999』<エターナル編>の続き。消滅してしまった太陽系を再生するため、アルティメイト星系の惑星エターナルへ向かう星野鉄郎とメーテル。そこで”光と再生の女神”フォトンと出会う使命を帯びているのだが・・・中断して何年になる? そこで書かれたのがこの小説で、続きが気になる人はどうぞ、ということだ。”オフィシャル”を謳っているんだし。
そして、ひょっとすると『サイボーグ009完結編』と同じようなポジション――漫画で完結せず小説で――になる可能性も・・・?
あとは今年公開されるという劇場版『CSDまほろば(Cosmo Super Dreadnought まほろば)』のサイドストーリーも兼ねているようだ。
帯に「松本作品の集大成」とあるけれど確かにその通りで、メインは『銀河鉄道999』と『銀河鉄道物語』、それに『ニーベルングの指環』ではあるものの、色々なキャラクターが続々登場。
機械帝国の残党が暗黒女王ダークィーン率いるメタノイドと手を組み、それに対して大銀河系連合艦隊が結成されるのだが、ガーノン・デスラー総統率いるネオガミラス帝国、女王ラフレシア率いるマゾーン惑星王朝、皇帝ザルファス率いるイルミダス帝国、そしてGヤマトを擁する太陽系連邦・・・他にも軍事惑星国家アルフレスとかボラー連邦とか懐かしい名前がチラホラ。
Gヤマトの艦長は古代将で、他にも森膤とか島、真田、相原、山崎、南部、太田、北野、山本といったクルー(かつ太陽系連邦の要人)の名前が並んでいるけど、権利関係は? また太陽系連邦の長官はキリタというのだが、これってひょっとして切田長官のこと?(この人死んでるんだけど)
ということで勿論キャプテン・ハーロックやクィーン・エメラルダスも登場。ハーロックと古代、デスラーらの会話は色々と含みがあって面白い。その会話の中で近藤艦長指揮の超時空戦艦まほろばの存在も語られる。これに神々の国ワルハラからの支援艦隊も加わって大戦闘が繰り広げられる、というところで上巻は幕なのだが――
メーテルを支援する”宇宙の女神”は、レイラ・ディスティニーやフォトンだけではなく、メロウやブリュンヒルデ、それに大王星のオーロラ姫なんかもいて、オーロラ姫がメーテルと鉄郎の護衛に差し向けたのがジャン・クーゴ、ドン・ハッカ、サー・ジョーゴの<スタージンガー>だったり、可変戦闘機サテライザー・システムを導入した一文字琢磨提督の他にも、海野広、大地巡、ダイバーゼロとか怪しげなキャラがウヨウヨ。
そうそう、SDFシリウス小隊のセクサロイド・ユキが森雪のDNAをベースに作られていたり、メーテルの宿命星・惑星メーテル、プロメシュームの宿命星・惑星大アンドロメダ同様、エメラルダスの宿命星・惑星エスメラルダが存在していてそれが現在の機械化帝国の首都になっていたり、イルミダスの科学者だったズォーダーが自ら大帝を称したのが白色彗星帝国だったり、小ネタもかなり放り込んできてます。
色々な意味で大丈夫かいな?と思ってしまう内容だな・・・。
【ひとりごと】
このタイトルで検索してくる人、多いですけど、ヒットするのは過去の同人誌の話題でスマンのう。今回新しく書いたからね(^^ゞ
過去記事はこことここ。
しかし一般書店には出回らないだろうとも思ってAmazonで購入したんだけど、それなりに大きな書店に行くと平積みされてるので驚いた。結構流通してたんだね。