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『復刻!東映まんがまつり 1975年春』

『復刻!東映まんがまつり 1975年春』_e0033570_21333351.jpg復刻版DVDシリーズの第3弾は1975年の春休み篇。
『アンデルセン童話 にんぎょ姫』『グレートマジンガー対ゲッターロボ』『これがUFOだ!空飛ぶ円盤』『仮面ライダーアマゾン』『がんばれ!!ロボコン』『魔女っ子メグちゃん/月よりの使者』の6本立てですが、トータル・ランニングタイムが188分って凄いことですねえ。
確か途中に休憩が2回ぐらい入ったように記憶しているので、通しで見ると3時間半ぐらいは優にかかっていたワケで、今だとこんな番組組めないかな。

<東映まんがまつり>といえば、メインは名作物路線。
それが次第に「仮面ライダー」やら「マジンガー」やらのTVヒーローの劇場版がメインを占めるようになってくるのですが、その中にあって出色の出来なのが今回メインの『アンデルセン童話 にんぎょ姫』で、上映時間も69分という充実ぶり。
以前は単独でビデオソフトが出てましたけど、TVでも殆どやらないし知名度はかなり低いと思うのですが、もっともっと多くの人に見て貰いたい一本です。

何よりもディズニーの『リトル・マーメイド』のように、安易にハッピーエンドに改変してないところが良いですね。
あちらはあちらで好きですが、やはり「人魚姫」は悲劇でなければ。
マリーナ姫の運命には思わず涙します。
そしてそのマリーナ姫が、何と可憐でいじらしいことか。
しかも少女の危ういエロスを十分に感じさせています。
あちらのアリエルは水着着用(?)でしたが、こちらのマリーナは長い髪で隠しているもののオールヌードで、時折その隙間からチラホラと見えてしまうとドキっとしますし、人魚から人間の姿へと変身する際の表情はかなり官能的。
擬人化された動物たちが出てくるあたりで「お子様向け」と敬遠してしまう人もいるでしょうが、本質的には大人向けのラブストーリーなのだなと感じました。
主題歌(挿入歌?)「待っていた人」のメロディーが、自然と涙腺を刺激します。

『グレートマジンガー対ゲッターロボ』は上映時間30分と『にんぎょ姫』の半分以下ながら、実質的な今回のメイン作品。
おそらく殆どの子どもはこの作品目当てで劇場に足を運んだことと思います(自分も含めて)。
事前に「テレビマガジン」の増刊号に掲載されていた桜多吾作のコミカライズ版を読んでいたので、それに比べると随分とあっさりしてるなとは思ったものの、手堅くまとめられた本作の満足度は総じて高いのでは?

『これがUFOだ!空飛ぶ円盤』はUFOブームの産物ですねえ。
似非ドキュメンタリーもどきと言えばそれまでですが、色々なものが詰め込まれた”ごった煮”も<まんがまつり>の魅力かと。

『仮面ライダーアマゾン』はシリーズ16話「ガランダーの東京火の海作戦!!」のブローアップ版ですが、サブタイトルはカットされています。
特に面白いエピソードでもないですが、公開の約1カ月前に放送されていたので、劇場用に転用出来るギリギリの最新作だったのかも知れませんね。

『復刻!東映まんがまつり 1975年春』_e0033570_2134756.jpg『がんばれ!!ロボコン』は第9話「ビャーッ!青い鳥を探せ!!」のブローアップ版。
公開されたのはそろそろ放送開始から半年経とうかという時期だったので、ちょっと昔の作品という印象。
みどりが大切にしていた青いインコをロボワルが意地悪して逃がしてしまい、みどりのためにロボコンが頑張るというお話で、そういや『ロボコン』ってこういうフォーマットの作品だったなあと思いだしました。

『魔女っ子メグちゃん/月よりの使者』は劇場版2作目で、今回は第11話「月よりの使者」
魔法の国から司法長官のパトラが、メグの人間界での暮らしぶりの査察にやってきます。
メグを追い返したいチョーサンはメグに罠を仕掛けますが、ライバルを失いたくないノンは陰ながらメグを手助けします。
ところが最後に規則を破ってしまい、メグは魔法の国に強制送還かというところで、一見悪役風だったパトラが実は物わかりの良い人で、不問に付されるというお話です。
特出したエピソードではないと思いますが、やっぱり『メグちゃん』、良いなあ。
出来れば全話見直したいものです。
それにしても5クール目に入ろうという時期に、なんでこんな初期作品をセレクトしたんでしょうか。
どうせなら第23話「恥かきべそかき大作戦」あたりを選んでくれていれば…ゲホンゲホン。

by odin2099 | 2013-02-15 21:36 | 映画雑記 | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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