『ULTRAMAN』2 清水栄一×下口智裕
2013年 03月 15日

個人的にはこういった物語、アリだとは思うけれど、『ウルトラマン』の続編ではあっても「ウルトラマン」の名前を冠しない作品だったなら、もっと素直に受け入れられたかもなあ、と考えてしまう。
もっとも、それじゃあ商売にはならないだろうけどね。

まずアメコミヒーロー的な、超人がパワードスーツ(と言うより鎧)を着る設定に振り回されている気がする。
アメコミは好きだけど、こういう話の進め方なら、オーソドックスな日本ヒーローの、普通の少年がパワードスーツで強くなる方がもっと面白くなりそうと感じる。
個人的には、ウルトラマン型の巨大ロボットモノの方が良かったけど。
遺伝とか血筋以外に「彼じゃなきゃ」という確固たる理由が出てくれば良いのですが、これなら然るべき人にきちんと訓練積ませた方が、もっと効率的で効果的なスーツの運用が出来るんじゃないかなあと思ってしまいます。
「ウルトラマン」の世界観を利用しつつ、「ウルトラマン」の続編ではないヒーロー物を期待したいのですが、スタッフはあくまでも「ウルトラマン」がやりたいんでしょうね。現在の円谷プロや「ウルトラマン」の置かれている状況を考えると、もっと思いきった手を打つべきときかな、とは感じるのですが。
巨大ロボットとしてのウルトラマンは、確か『ウルトラマングレート』の頃に似たような設定が考えられていたと思います。
また『ウルトラマンティガ』などは、「勇者ライディーン」のような主人公一体型のロボット物の一種と捉える事が出来るような気がします。石像と一体化して復活したティガは、ダイゴの変身というよりもダイゴが操縦してると解釈するのは穿ち過ぎですかね。

ウルトラマンネクサスの時にも考えられていたようですね。
ナイトレイダーが、
ストライクチェスターではなく・・・ロボットだったのか、
ストライクチェスターに代わる新たな機体だったか、
細かい部分を忘れてしまいましたが、
ウルトラマンを模した巨大ロボットで戦うという設定だったようで、
マジンガーZでいうアフロダイA的なやられ役というか、
仮面ライダーアギトでいうG3的なポジションだったっぽいですね。
確かに、現時点ではハヤタの息子を主人公にする理由を感じませんね。
遺伝や血筋がそれのつもりなんでしょうけど、説得力が弱すぎます。
もっと科学特捜隊的を感じさせるシーンや、ともに戦う感じがあれば
彼ももっとウルトラマンらしくなりそうですけど、
現時点ではディテールの部分もウルトラマンらしさがあまりないので、
余計に主人公が浮いて見えます。
ウルトラマンの場合、あまりそういう「前座」キャラは馴染まない気がしますねえ。
カプセル怪獣ですら微妙でしたが、あれはまあセブンの代理だからイコール、セブンの意思と見なせますけど、その設定だと地球人(防衛隊)がウルトラマンと無関係に繰り出すってことですよね。
メビウスとGUYSの”共闘”あたりまでが無難な線ではないでしょうか。
今のウルトラマン・スーツ、ぶっちゃけウルトラマンを模しているとも似てるとも思わないんですけど。
なんで劇中で皆があれを見て「ウルトラマンだウルトラマンだ」と騒いでいるのかがよーわからん(^^ゞ

防衛隊の上層部は、ウルトラマンも敵と見なしていて
実際に、防衛隊の戦闘機により何度もウルトラマンは攻撃されています。
他にも、変身前の人間を拉致して攻撃力を科学的に分析し、
初マンでいうスペシウム光線を出せるようになったりします。
その分析の時は、変身前の人を殺す寸前まで無茶苦茶してました。
ロボが出るとしたら、そういう経緯で
上層部はウルトラマンも倒す勢いで開発させるのだと思いますが、
前線で戦う隊員達はウルトラマンを味方と認識しているし、
ウルトラマンに近い攻撃力があっても、結局弱いので、
結果、サポートロボになるのだと思います。
ULTRAMANは、確かにスーツは俺もそう思いました。
それに、星人と戦う話はセブンだし。
何度も長々と申し訳ないです。
大胆な切り口だけど、うーん、ちょっと一般受けはし辛いかも。深夜枠かなんかでやれば良かったのかもね。

ティガ、ダイナ、ガイア・・・と連続したシリーズの直後の作品なら、こうした変わった切り口も受け入れられたでしょうけど、
数年ぶりのウルトラマンが、ウルトラマンは脇役で主人公はただの防衛隊員。しかも防衛隊が結構強いので、結果ウルトラマンが、過去のシリーズと比較するとちょっと弱く見える。
マニア受けはしてましたけど、一般受け・・・特に子供には不人気でしたね。
確かにシリーズの2作目とか3作目のポジションならば良かったのかも知れませんけど、初っ端が変化球なのはキツイねえ……。