アンデルセンの『人魚姫』を大胆にアレンジした作品で、これがディズニー・アニメ初体験!
……ではないものの、それまでディズニー作品というと『101匹わんちゃん』を小さい頃に映画館で見たり、『ピーターパン』やミッキーマウスの出てくる短編作品をTVなどで見ていたくらいで、何となく古臭いイメージを持っていたし、ディズニー・タッチの絵柄も好きじゃなかったのだけれども、この作品を見てから認識を新たにした。
この作品だけはビデオを借りて見たのだけれども、これ以降の作品――『美女と野獣』『アラジン』『ポカホンタス』『ノートルダムの鐘』『ヘラクレス』ナドナド――はしばらく映画館へ通って見るようになった、という点でも自分的には記念碑的作品。
また、実際に長らく低迷していたディズニー・アニメ自体も、この作品で持ち直したとのことである。
生前のウォルト・ディズニー自ら『人魚姫』アニメ化の構想を持っていたそうなので、会社としても念願の企画だったのだろう。
その成功の要因には、ストーリーの改変もあるのだろうなあ。
冒頭で「大胆にアレンジ」と書いたけれど、『人魚姫』といえば悲恋が定番。
ところがこの作品では、”人魚姫”アリエルはエリック王子と結ばれてメデタシメデタシで終わるのである。
最初に見た時はどう受け止めて良いものやらけっこう悩んだのだけれども、ま、これはこれでアリかなあ。
そして最大の要因は、やはり音楽!
アラン・メンケン、本当に良い曲を書くもんだ。
一般的に『リトル・マーメイド』を代表する歌曲というと、アカデミー歌曲賞を受賞した「アンダー・ザ・シー」が有名だけれども、個人的には「パート・オブ・ユア・ワールド」が大のお気に入り。
実際このメロディーがなかったら、『人魚姫』改悪ハンタイ!と叫んでこの作品の支持には回らなかったかも。
ただ、今回DVDを取り出して吹替版にして見直してみたのだけれども、あれ?何曲か日本語の歌詞が違ってるじゃん!?
聞けば97年の劇場再公開の際に一部の楽曲が再録音のものに差し替えられた由。
DVDでリリースされたのはこの再公開版だそう。
うーん、馴染みがないので違和感あるなあ。
ま、サントラCD持ってるし、吹替版のVHSソフトも持ってるから、そっちで愉しめば良いんだけどもね。
さて、いよいよ今度は劇団四季版を見に行くのだけれども、どんなステージになっていることやら……?