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『ナニワ・モンスター』 海堂尊

『ナニワ・モンスター』 海堂尊_e0033570_189274.jpg今度の舞台は関西最大の都市・浪速市。ここで新型インフルエンザが発生し、人々がパニックになる「アウトブレイク」のような物語なのかと思いきや、実は浪速の独立や道州制実現と医療問題を絡めたポリティカル・サスペンスの要素が強い作品だった。
ちなみに神戸市は別に出てくるし、浪速府には”風雲児”と呼ばれる府知事がいて…ということはモデルは大阪なのだろう。

前半は浪速診療所の開業医親子を主人公に、彼らを取り巻く周囲の住人たちの細かい描写に費やされているのだが、途中からは東京地検特捜部から浪速地検特捜部へ派遣されてきた鎌形副部長がメインとなって浪速に改革をもたらそうとする話にすり変わり、最終的には村雨知事とそのフィクサーとして暗躍する”スカラムーシュ”彦根が中心に座り、それに斑鳩や白鳥などのお馴染みの人物も顔を出すという構成なので、実際は連作短編に近い。

作者はよく「どの作品から読んでもらっても大丈夫」という趣旨の発言をしているのだが、流石にいきなりこれを読んでもわからないだろう。
逆に他の作品を読みこんでいる人ならば、こことここはこう繋がるんだとか、あの時のあの人が今はこんな立場になってるんだといった愉しみが出来るのも確か。
しかしそろそろ詳細な人物事典、用語辞典、年表や人物相関関係図を網羅したガイドブックが欲しいところだ。
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Tracked from 地下室で手記 at 2013-05-04 19:58
タイトル : 今日の読書 ナニワ・モンスター/海堂尊
海堂尊の一連の医療関係啓蒙小説、今作は舞台が関西最大の都市である浪速。 新型インフルエンザ発生による、御用学者、マスメディア主導による論理を駆逐する風評被害をメインに扱ったもの・・・ と思っ...... more
Tracked from 蒼のほとりで書に溺れ。 at 2013-05-04 22:28
タイトル : 『ナニワ・モンスター』/海堂尊 ○
海外(ノルガ共和国)で発生した〈新型インフルエンザ・キャメル〉。国外での流行に、厚生労働省がとった対策は「成田空港での検疫強化による水際作戦」。だが、浪速府に住む渡航経験のない子供に、感染が確認され…。 海堂尊さんの〈桜宮サーガ〉の番外編ともいえる、『ナニワ・モンスター』の始まりは、パンデミックの脅威を借りた、関西最大都市の経済封鎖。やがて物語は、意外な方向へと進行する。... more
Tracked from じゅずじの旦那 at 2013-05-05 09:35
タイトル : 【ナニワ・モンスター】(海堂尊)を読了!
この国の病巣にメスを入れよ!  まずは来訪記念にどうかひとつ!  人気blogランキング【あらすじ】関西最大の都市・浪速で新型インフルエンザ・キャメルが発生した。経済封鎖されて壊滅的打撃を受けるナニワ。だが、その裏では霞が関の思惑が絡む巨大な陰謀が蠢いていた――。日本の大変革を目論む風雲児・村雨府知事は、未曾有の危機を打開できるのか。この国を救う“究極の処方箋”とは?・・・官庁、御用学者、マスコミ、、、旬と言えば旬の話題ではあるが、国の都合による情報操作がつくられていく過程が面白くもあり、あほらしくも...... more
Tracked from Bookworm at 2013-05-07 12:50
タイトル : ナニワ・モンスター(海堂尊)
大阪府を彷彿させる関西最大の都市、浪速を舞台に繰り広げられる陰謀。村雨府知事はどう動くのか・・・。新型インフルエンザへの対応や、道州制など、現実世界とリンクするような海堂さんらしい作品。... more
by odin2099 | 2013-05-04 18:09 | | Trackback(4) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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