『宇宙戦艦ヤマト復活篇』見比べ
2013年 05月 10日

ヤマトが地球を救って終わるハッピーエンドか、それともブラックホールに飲み込まれたままで終わるバッドエンドか、公開前の試写会での反応を見て決めるという話で、その結果<公開版>はハッピーエンドになったそうですが、元々西崎Pの構想はバッドエンディング。当初はこちらをDVDの特典映像として収録するとアナウンスされたものの、それを撤回して<DC版>に採用したという経緯があります。
試写会には行けなかったので話を聞いただけでは「そりゃハッピーエンドの方が良いに決まってる」なんて考えていたのですが、こうやって完成版を提示されるとバッドエンドも捨てがたいなあと思えます。
というより、ぶっちゃけ三部作構想の第一弾(ラストにも「第一部完」とテロップが出ます)なのだから、最後の最後でハッピーエンドならば一部、二部がバッドエンドでも構わないのではないかなあ、と。漏れ伝わってくる構想メモによれば、最後には地球も救われ雪とも再会出来るという話ですし、それにこの流れだと折原真帆も死なずに済むし(でも二部以降で死ぬのかな)。

<公開版>は中盤以降クラシック音楽ばかりになり、「ヤマト」っぽさが聴いていて感じられなくなります。その点<DC版>は最後まで既成の「ヤマト」BGMを流用してくれるので、「ああ、ヤマトを見てるんだな」という気分にさせてくれます。
とはいうものの、ここまで全面的に差し替えなくても良いのでは?とも思いますけれどね。
例えばSUSの巨大要塞のテーマとして使われたグリーグの「ピアノ協奏曲」、2回も流すのはインパクトが弱くなりますけれど、1回も流れないとそれはそれで寂しいものです。
効果音も差し替わっています。
しかしこちらは微妙。
確かに「ヤマトといえばこの音だよな」というのはわかります。主砲の発射音やワープシーン、戦闘シーンでの「パリィーン!」とか。しかしこれは”新生ヤマト”なのですから、敢えて前のヤマトと同じ音にする必要はなかったのではないでしょうか。
個人的に嬉しかったのは、「宇宙戦艦ヤマト」というタイトルが出る時の効果音。これはやっぱり統一して頂かないとシリーズの新作を見た気分にはなりません。
ということで――
総じて”良し悪し”ではなく”好き嫌い”でいえば<DC版>に軍配を上げたいところですね。
「交響曲宇宙戦艦ヤマト」第四楽章とシンクロしている<公開版>のクライマックスも好きなのですが、結果的に中途半端なハッピーエンドがちょっとしまらないかな、と。
地球は助かったものの、雪はどうするの?というのが気になります。
また製作サイドではこの二つのヴァージョンのどちらかが決定版ではなく、『さらば宇宙戦艦ヤマト/愛の戦士たち』と『宇宙戦艦ヤマト2』のように併存して欲しいという意向のようですが、そうなると「作る」と明言した『復活篇第二部』はどちらを引き継ぐのかでストーリーが変わってくる筈。『ヤマト2』を受けて続いた『宇宙戦艦ヤマト/新たなる旅立ち』が、決して『さらば』からは繋がらないのと同じことです。そのあたり、公式のアナウンスが早く欲しいところですし、『宇宙戦艦ヤマト2199』が一定の評価を得ている今だからこそ、一気呵成に盛り上げていくべきだと思うのですが……頓挫したのかな。

前にも述べましたが・・・第一部完なわけですから、その後に続けてもらわないと・・・。
「ヤマト復活」の意味が中途半端になってしまいます。
今、何故ヤマトなのか、ヤマトを通して何を伝えたかったのかが根本な問題だと思います。
現段階ではヤマトは甦っただけ、ですからね。
まだお話は何の解決もしてませんし、早いとこ第二部以降を作って欲しいものですが、公式アナウンスは何もなし、動いてるという噂も聞こえてきませんねえ。
まあ『2199』が終わらないことにはどうにもならないのでしょうが、来年あたりには見たいなあ。
でもキャストがかなり入れ替わりそう。
真田さん……。