『人生の特等席』（2012）

メジャーリーグのスカウトマンであるガスは、ハイテクに頼らず昔ながらのやり方を貫いているが、球団は時代に取り残されたかのような彼を疎ましく考え始めていた。しかもガスは視力が衰え仕事にも支障を来たし始めていたが、プロとしての自信と誇りは持ち続け、今もドラフト１位指名候補選手の視察の旅へ出掛けている。
そんな彼を支えることになったのは一人娘のミッキー。彼女も弁護士として大きな仕事を抱える身ながら、父の病状を知り同行することになったのだ。
早くに妻を亡くし、娘を男手一つで育て損なったと感じているガス。そして自分は父に棄てられたと感じているミッキー。互いの気持ちを伝えられず、会えば喧嘩を繰り返す不器用な父娘が、今初めて同じものを見つめることになり――。

クリント・イーストウッドの頑固親父ぶりが、ちょいと度を越し過ぎで感情移入出来なかった一方で、娘のエイミー・アダムスが実に魅力的でずっと彼女を応援しながら鑑賞。
挫折があったりすれ違いがあったりもするけれど、最後には甘過ぎるくらいのハッピーエンド。ストーリーの運びや登場人物の性格には正直言って「？」な部分もあったけれど、見終わった後はゴキゲンな気分になれた一本だった。

それにしても野球を題材にした映画って、どうしてこうも高揚させてくれるのかなあ。