『サイボーグ009完結編/2012 009 conclusion GOD'S WAR』2
2013年 05月 17日
「クラブサンデー」掲載のwebコミックの単行本化の第2弾で今回は004編、005編、006編の3つのエピソードを収録しているのだが、006編から何故かコミカライズ担当が早瀬マサトから兄弟子にあたるシュガー佐藤へバトンタッチ。当初は006編のみのイレギュラー措置かと思っていたのだけれども、現在進行中の008編までシュガー佐藤が健筆を奮っている。
その理由は現在まで正式にアナウンスされていないようなのが気になるが、スケジュール等の関係だろうか。また単行本では著者名は連名のためにその分担が明記されていないが、絵柄を見れば一目瞭然である。
”萬画”としてどちらが面白いかは好みの問題かと思うが、単純に絵柄を比較してみると石ノ森タッチを再現しているのは早瀬マサトの方。シュガー佐藤は石ノ森章太郎の元を独立してから長いこともあるだろうし、単純に師の絵柄を引き写すことを良しとしていないのかも知れないがかなり異なる印象で、言葉は悪いが石ノ森章太郎本人の手によって”萬画”化が望めず、その代替作品として用意されたという経緯を考えるならば、可能な限り作風を模倣した”早瀬版”の方が落ち着くのも確かである。
それにしても”原作”となった小説も(”小説”故のことなのかも知れないが)理屈っぽくて娯楽要素に欠ける嫌いがあったが、それをそのまま引き写しをしてみても”萬画”として面白いものになる訳ではないことが、ここへ来てハッキリしてきたのは残念である。覚悟はしていたことだが。