『小説 仮面ライダー響鬼』 きだつよし
2013年 06月 16日
『仮面ライダー響鬼』の設定によれば、日本古来から魔化魍という化け物を退治する”鬼”と呼ばれる超人的な能力を持つ者たちがいて、それが現在まで続いているという世界観らしいが、この小説の舞台は関ヶ原の合戦が終わって数十年、天下泰平の夢を貪っている時代となっているので、TVシリーズの主人公たちの(血縁関係の有無は兎も角として)ご先祖たちのお話ということになるようだ。
また『響鬼』は当初<仮面ライダー>シリーズの一本ではなく『変身忍者嵐』のリメイクとして企画されたという経緯があるらしいが、この小説版はTVシリーズ『変身忍者嵐』の(一応の)後日談になっていて、ハヤテ(嵐)、タツマキ、カスミ、ツムジが登場。ハヤテの父・谷の鬼十が元”鬼”であり、肉体を鍛えて”鬼”の能力を身につけるだけでなく、身体の弱いものでも身に纏うことで戦えるようになる「鬼の鎧」の開発や、特殊な外科手術によって超人的な能力を得る「化身忍者」の研究を進めていたが故に追放された、ということになっている。そして今回の敵も、復活した血車党だ。
『嵐』も殆ど予備知識ナシなのだが、このコラボレーションは上手くいっているのではないか。
Wヒーローが対立(反発)から共闘へという流れは王道だし、昨今の「<仮面ライダー>世界に無理矢理他の石ノ森ヒーローをアレンジして取りこみました」というのではなく、きちんとオリジナルに敬意を払った(どころかオリジナルそのものといって良いくらい)形でスムーズに融合させているのは、本家の映像版でも是非とも見習って欲しい部分だ。忍者漫画っぽい愉しさもあるし、ここだけの話にしておくのは勿体ない。
*ネタバレ注意* 講談社キャラクター文庫というのができたみたいで、仮面ライダーシリーズがいろいろ出てます。 これから出る予定のものもあるみたいです。 作家さんは、脚本を書いていた方なのかな? ・・・とりあえず響鬼が御大でなくて良かった。。。。 あれ?で...... more