『メーテル・レジェンド/交響詩「宿命」~第二楽章~』(2000)
2013年 07月 14日
完結編だが、45分×2本ではなくもっとじっくりと描いて欲しかった素材である。大河ドラマとしてシリーズ化するか、さもなければ2時間クラスの劇場用作品として。全体的にせわしない印象が残ってしまっているし、作画レベルも更に厳しい状況と言わざるを得ない。
ストーリー上、これで『1000年女王』と『999』のミッシングリンクが埋まったかというとそうはならず、更なる新たな謎が提示されたとしか言いようがない結果に終わってしまった。まだまだ語られていない物語があるということか。
機械化母星と化したラーメタル、単なる<1000年女王>ではなくラーメタルの指導者となっているプロメシューム、それに結局語られなかったドクターバン等々、今後の展開を待つしかあるまい。
少なくとも『さよなら銀河鉄道999』で語られたメーテルとプロメシュームの物語とは、かなり隔たりが出てしまったのが残念だ。
リアルタイムで『1000年女王』を見、今また新作としてこの『メーテルレジェンド』を見ることが出来た自分は、ある意味幸せなのかも知れないと思っている。
それだけの時間経過があるから、雪野弥生からプロメシュームへの変貌も比較的冷静に受け止められたからで、もしこれが『1000年女王』直後に作られていたらかなりの拒否反応を示したのではなかっただろうか。
そういう点で、これまでの松本作品を知らない、若い新しいファンの方がこの作品を、そして他の作品群との関わりをどう捉えているのか是非聞いてみたいものだと思う。『1000年女王』『メーテルレジェンド』『銀河鉄道999』(特に『さよなら銀河鉄道999』)を、白紙の状態で続けて見た方はどのように受けとめるのだろうか。
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作画レベルは決して低くはない、とはいっても、松本キャラをきちんとそれらしく描いているか?というと「NO」ということになるだろう。それに、バンクの多さも気になった。週一のTV作品じゃなくお金を払って買わせる作品なのに、それはないだろうと思うのだが、制作態勢がきちんととられていなかったのだろうか?
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原作の『新竹取物語1000年女王』を除くと、TVシリーズの『新竹取物語1000年女王』でも劇場版の『1000年女王』でも、雪野弥生は死んでしまっている。
作劇上では盛り上がるのだが、やはりリンクさせる為には生かしておくべきだったよなぁ・・・。
はい、これまた「ビバ!びでお」からの転載。今回は前後篇を一気に通しで見てみたけれど、やっぱり残念な作品だよなあ。謎が謎を呼び、矛盾点が更に増えていくという悪循環。一応この後はTVシリーズ『宇宙交響詩メーテル』へと繋がっていくんだよね、見てないけど。どうせそこでも辻褄がどんどん合わなくなるだけだろうけど。
ところでこの第二楽章のエンディングは、第一楽章と映像が同じだけど音楽が違う……のは良いとしても、なんで天野正道の曲を使わないんだ?
しかもその代わりに流れたのが川井郁子の「Eternally」!! うわー、知らなかった。あれぇ、どっかで聴いたようなメロディが…と思っていたら、こんなとこで使われていたとは。この曲、この作品用に書かれた曲じゃないよね?この頃はまだ彼女はさほど有名じゃなかったと思うんだけど、どういう経緯でイキナリの起用?
【ひとりごと】
機械伯爵が出てくるけど、そこまでリンクさせなくても良いんじゃない?