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『ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集 第88回』

『ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集 第88回』_e0033570_1175883.jpg4年ぶりになるかと思いますが、ミューザ川崎に行って来ました。ちょいと遠いのが玉に瑕ながら、素人でもわかる音の良さ、でお気に入りのコンサートホールですが、東日本大震災で天井が落下、修復が終わるまで2年もかかってしまいその間は閉館されたまんまでした。

しかし以前と変わらない感じで良かったなあ。
ただどうせならちょっと変えて欲しかったのは客席から階段へ移動する部分。前にもコケそうになったことがあったけど、今日も危なかった~。
実は以前このホールで、震度5の地震に見舞われたことがあります。丁度演奏が終わって帰ろうとしていた時で、この時は完全にコケたんだけど…。

今回のメニューは前半がドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」と「交響詩『海』~3つの交響的素描」、後半がショーソン「詩曲 作品25」、ラヴェル「ツィガーヌ」、そして「ボレロ」という組み合わせ。指揮はミシェル・プラッソン、ヴァイオリンが成田達輝、コンサートマスター水谷晃。
『ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集 第88回』_e0033570_1181555.jpg

前半はドビュッシーで固めてきました。どちらも好きな曲で今回このコンサートを選んだ決め手でもあったんですが、日曜の昼下がり、続けて聴くのは些か辛いですねえ、これは。客席を見回すと、何人も沈没している方のお姿が……。
それだけ心地好い空間だったのは確かです。

『ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集 第88回』_e0033570_118599.jpg後半はヴァイオリニストの成田達輝が登場。彼は数年前から国内外問わずコンクールの上位入選を果たしている弱冠20歳の俊英のようです。「詩曲」も「ツィガーヌ」も(少なくてもきちんと聴くのは)初めての曲だったのですが、かなり難曲とお見受けしましたが実に堂々たる演奏っぷり。「ツィガーヌ」は冒頭のソロでの演奏途中にヴァイオリンの弦が切れるというアクシデントが起こりましたが、しばしの中断の後、最初から演奏を再開し熱演を繰り広げました。
なお、終了後にアンコールとしてパガニーニの「24のカプリス」より第1番を演奏。これまた超絶技巧を要する難曲のようですね。

そして最後は「ボレロ」。
単純なリズム、単純なメロディの繰り返しの曲ですが、なんでこうまで面白く、かつスリリングなんでしょうかねえ。
で、アンコールは同じくラヴェルの「マ・メール・ロワ」より「妖精の国」。これまた美しい曲です。

パガニーニを除くとフランスの作曲家のものばかりで、統一感のあるプログラムでした。演奏は満足でしたが、全体的にはやや大人しめのプログラムだったかなあという印象で、睡眠率は高かったかも知れません。幸い自分は何故か終始絶好調(?)でしたが。


【ひとりごと】
ところで調べてみると、ドビュッシー(1862生)はショーソン(1855生)ともラヴェル(1875生)とも交流があったのに、最後は何れも決別してしまってるようですね。性格的な問題?
by odin2099 | 2013-07-15 11:09 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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