『ウルトラマンがいた時代』 小谷野敦
2013年 07月 18日
この人の本は『大河ドラマ入門』にしろ『日本人のための世界史入門』にしろ、自説を明快に説いて行くところに良さがあるワケですが、一方で断定的すぎる口調や上から目線、高飛車な物言いが不快感を助長する部分もありまして、これはこの負の部分が一気に表面化した感じ。
いや~、酷いもんだね、こりゃ。
「ウルトラマンを論じている」と言いつつ、その実態は思い出話を汲々として語る、というのは良いにしても、キャラクター名称や役者名などなどデータ部分が間違いだらけ。これを得意げに語っているのだから始末が悪い。
しかも「そんなのちょっと調べりゃわかるじゃん」てなものが多すぎる。本人が怠慢か、校正者が知識不足なのかわかりませんが、それらをネット上で指摘した人たちに対して、あろうことか著者自身が逆ギレしちゃったらしいとはねえ。
開き直って「正誤表」まで掲載し始めそこには17箇所の訂正が載ってますけど、まだ他にもあるよん。脳内補完・変換を繰り返しながら読んでいたので、何だか凄い時間が掛っちゃった……。
【ぼやき】
「懐かしくって泣けてくる」…?
いや、間違いだらけに泣けてきますよ、ホント。