『復刻!東映まんがまつり 1976年春』
2013年 07月 19日
『長靴をはいた猫 80日間世界一周』は1969年の『長靴をはいた猫』、1972年の『ながぐつ三銃士』に続くシリーズ3作目。1978年夏には1作目がリバイバル公開されているということは、ペロは長く愛されていたキャラクターなのだろう。本作で初めて知ったが。
レストランで働くペロは、客としてやってきた傍若無人な街の有力者グルーモン卿とひと悶着を起こし、その結果80日間で世界一周をする羽目に。勝てばグルーモンの全財産はペロのものになるが、負ければ一生奴隷の生活。しかし相棒のカーターやネズミ親子と一緒に「なんとかなるさ」と冒険の旅へ。行く手にはグルーモンの手下があの手この手でペロ一行の旅路を妨害するが、ペロはそれを何とか切り抜け……というお話は、前作、前々作とは特に繋がりはない。ネズミを助けた罪でペロが、ネコ大王が差し向けた殺し屋たちに追われているというシチュエーションのみ引き継いでいる。
その”ちびの殺し屋”を演じている水森亜土のみシリーズ皆勤。ペロの声は石川進、鈴木やすしに続いてなべおさみが担当。前二作との大きな違いは人間が一切登場しないところか。なお、グルーモンの手下としてペロを妨害するガリガリ博士はTVアニメ『ハッスルパンチ』からのスピンオフ?
公開時以来の再見かなと思うが、記憶に残っているよりは面白かった。ただ、どこを出発して今どの国にいるというところ、そしてタイムリミットまでどれくらいあるかを、地図なり地球儀なり時計なりカレンダーなりで視覚的に表現して欲しかったとは思う。でないとハラハラドキドキが伝わって来ない。
『UFOロボ グレンダイザー対グレートマジンガー』に関しては他でも触れているが、劇場版ならではのスケールの大きさは感じられず、TVシリーズの1エピソードとしても違和感のない作り。またスタッフが入れ替わったとはいえ、前々作『マジンガーZ』、前作『グレート・マジンガー』へのリスペクトがあまり感じられないストーリーや演出も寂しい。当初の予定通り『グレンダイザー対鋼鉄ジーグ』が実現していたら……。
『秘密戦隊ゴレンジャー/真赤な猛進撃!』は36話「真赤な猛進撃!動く要塞無敵戦艦」のブローアップ版。そういや軍艦仮面の弱点がキレンジャーの持つYTCが放つ低周波なのはわかるが、いつの間にか無敵戦艦の弱点までそうなってしまっているのは何故だ?脚本家も監督も気付かなかったのか?それとも編集の際に大事な台詞なりを落としてしまったのか?
『一休さん』は第1話「てるてる坊主と小僧さん」のブローアップ版。新右衛門さんがクールなキャラ(やや悪役よりのポジション)だったり、哲斉や桔梗屋の弥生さんのみならず、一休の母・伊予の局(とナレーター)のキャストが違ったり、今見ると随分と雰囲気が違うのに驚かされる。千菊丸から出家するまでの過程も回想シーンに織り込まれ、ちょっと重たいムードも。
『ロボコンの大冒険』は、そうか、公開はレギュラーが入れ替わる時期だったか。勝浦でのロケも敢行したイベント編で、屋外にガンツ先生が出てきてロボコンたちを救うという展開は珍しいだろう。
また最後にロボコンが100点を取り、何のケチも付かずに(?)そのままエンドというのも劇場版ならでは?
とーあに!これくしょん3本まとめて。 ◆『ながぐつ三銃士』渋谷TOEI② 五つ星評価で【★★いきなり西部劇】 1972年、カラー、53分、初見。 「ながぐつ三銃士」って長靴を履いてるのペロだけやん。それにしても前回の剣と魔法の話の続きが何で西部劇になったのだろう。ペロ自身が素晴らしい特技を持っている訳でもないのに(ないよね)、フーテンらしき青年を見下したような言動するのが、どうにもカチンと...... more