【徒然なるままに・・・】

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「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”

『キャプテンハーロック』 原作:松本零士/ストーリー:福井晴敏/小説:竹内清人

9/7から公開される劇場版『キャプテンハーロック』のノベライズがこれ。
「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって…」とナレーションを入れたくなるようなシチュエーションだが、『機動戦士ガンダム』よりは『地球へ…』かなあ、いや『銀河英雄伝説』にもちょっと似てるかな、なんて思いながら読んでいた。もちろんお話は全然別物なんだが。

e0033570_19532060.jpg人類は地球から巣立ち植民惑星が次々と誕生して行ったが、結局は再び地球へと回帰する動きが活発化する。しかし膨れ上がった人口は、既に地球が受け入れられる数を遥かに凌駕してしまっていたため、星間国家間でいつ終わるとも知れぬ争いを生みだしてしまう。そんな時に誕生したのが、全銀河的規模で有識者が集まって出来た統治機構<ガイア・サンクション>で、地球を神聖不可侵な聖地にしてしまおうというのが出された結論だったが、そんな<ガイア・サンクション>に敢然と反旗を翻し、お尋ね者になったのが宇宙海賊キャプテンハーロック、というワケ。

物語の主人公となるのはヤマという青年。彼は<ガイア・サンクション>の工作員でハーロック暗殺の密命を帯びてアルカディア号に乗り込むのだが…という、ハーロックに影響を受け成長していく若者といういつものパターンを演じている。実際の映画がどうなっているかは知らないが、この小説は終始ヤマの一人称で進んで行く。まー、このヤマというキャラが結構複雑な性格をしていて、その行動にはちょっと呆れる部分が無きにしもあらず。

アルカディア号の乗組員にはケイやヤッタラン、ミーメ、トリさんがいて、ミーメはニーベルング族の生き残りという設定。中央コンピューターにはハーロックの亡き友が宿ってるというのも引き継がれているようだ。他にもゴーラム星系第八惑星トカーガとかいう星が出てきたりはするものの、全体として「ハーロック」らしさは皆無に近い。

そもそもハーロック自体の出番が少なく、終始”謎の人物”と化したまんま。内面を窺わせる部分も殆どないし、超然・毅然としているのかなと思いきや意外に脆い面があったり、まあこの小説読む限りではちっとも面白くないね。映画は面白く仕上がってれば良いけれど……?

【ひとこと】
松本零士の短編に『大海賊ハーロック』という作品があるのだけれど、ストーリーや雰囲気はちょっと似てるかな。個人的には好きな作品じゃないんだが。
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by odin2099 | 2013-07-29 19:54 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by しずく at 2013-07-30 21:46 x
文庫本一冊ぶんくらいなら、と思って書店に行ったのですが、さすがに「ハーロックだから」という理由だけで買うには少々勇気が足りなかったのであらすじを読み、中身をパラパラっと立ち読みしました。
…えっと、なんなのでしょう、このそこはかとない敗北感は(苦笑)
ちょっと最後まで文章を読み切れる自信がなかったので映像を見てから小説版に手を出すかどうかを決めようと思い、結局買いませんでした。
9月を、待とうと思います。
映像は面白くなっているといいですね!
…小栗さんの声で聞くくらいなら全編英語の日本語字幕の方がいい気もするのは、やっぱり思い入れが強すぎるせいでしょうか。
Commented by odin2099 at 2013-07-30 22:43
最初に企画を聞いた時には惹かれるものがなく、次に映像を見てちょっとイケるかな?と考え直したものの、ヴォイスキャストが発表されてガッカリし、そしてこのノベライズを読んで止めを刺された感じです。
いや~、こうなったら意地でも映画見に行くけどねー!
全てが杞憂であった、と胸を撫で下ろす結果を願います、というか祈りますだな、こりゃ。

>最後まで文章を読み切れる自信がなかったので
文章はサクサクと読めますよ。薄いし、1時間かからなかったかな、久々に。

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