『キャプテンハーロック』 原作:松本零士/ストーリー:福井晴敏/小説:竹内清人
「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させるようになって…」とナレーションを入れたくなるようなシチュエーションだが、『機動戦士ガンダム』よりは『地球へ…』かなあ、いや『銀河英雄伝説』にもちょっと似てるかな、なんて思いながら読んでいた。もちろんお話は全然別物なんだが。

物語の主人公となるのはヤマという青年。彼は<ガイア・サンクション>の工作員でハーロック暗殺の密命を帯びてアルカディア号に乗り込むのだが…という、ハーロックに影響を受け成長していく若者といういつものパターンを演じている。実際の映画がどうなっているかは知らないが、この小説は終始ヤマの一人称で進んで行く。まー、このヤマというキャラが結構複雑な性格をしていて、その行動にはちょっと呆れる部分が無きにしもあらず。
アルカディア号の乗組員にはケイやヤッタラン、ミーメ、トリさんがいて、ミーメはニーベルング族の生き残りという設定。中央コンピューターにはハーロックの亡き友が宿ってるというのも引き継がれているようだ。他にもゴーラム星系第八惑星トカーガとかいう星が出てきたりはするものの、全体として「ハーロック」らしさは皆無に近い。
そもそもハーロック自体の出番が少なく、終始”謎の人物”と化したまんま。内面を窺わせる部分も殆どないし、超然・毅然としているのかなと思いきや意外に脆い面があったり、まあこの小説読む限りではちっとも面白くないね。映画は面白く仕上がってれば良いけれど……?
【ひとこと】
松本零士の短編に『大海賊ハーロック』という作品があるのだけれど、ストーリーや雰囲気はちょっと似てるかな。個人的には好きな作品じゃないんだが。

…えっと、なんなのでしょう、このそこはかとない敗北感は(苦笑)
ちょっと最後まで文章を読み切れる自信がなかったので映像を見てから小説版に手を出すかどうかを決めようと思い、結局買いませんでした。
9月を、待とうと思います。
映像は面白くなっているといいですね!
…小栗さんの声で聞くくらいなら全編英語の日本語字幕の方がいい気もするのは、やっぱり思い入れが強すぎるせいでしょうか。
いや~、こうなったら意地でも映画見に行くけどねー!
全てが杞憂であった、と胸を撫で下ろす結果を願います、というか祈りますだな、こりゃ。
>最後まで文章を読み切れる自信がなかったので
文章はサクサクと読めますよ。薄いし、1時間かからなかったかな、久々に。