『巴御前/女武者伝説』
2013年 08月 18日
黒木メイサの座長公演(!)で、脚本:渡辺和徳、演出:岡村俊一のオリジナル作品。的場浩司、堀井新太、大河元気、山崎銀之丞、愛原実花、山下翔央、大久保祥太郎、早乙女友貴、比留間由哲、清家利一、西岡德馬らが出演しております。
非売品のチケットですが、1階席の真ん中、ステージに向かってやや左寄りのブロックの前から6列目とかいうかなり良い席でビックリ。花道にも近いしね。
幕間30分入れてもトータルで2時間20分、というのは演劇ファンなら物足りないくらいの上演時間ですが、楽に見られる長さではあります。
副題は『「源平盛衰記」異聞』。予備知識なしで見ていたんですが、これはSF時代劇ということになるのかなあ。主人公は女性自衛官で、ある事故を切っ掛けに過去の世界へタイムスリップ。そこで木曾義仲と出会って…という展開は、おそらく普段明治座へ足繁く通うような観客層にはちょっとウケがわるそうな気がします。
実際観客の年齢層はかなりマチマチでしたし、客席も満員とは程遠い状況。1階席は8割近く埋まっていた印象でしたが、2階席辺りはかなり空席目立ってました。
基本はシリアスで重たいお芝居ですが、所々にギャグを散りばめていたのもどちらかというと失敗かな。もっとキャラクター自身の魅力で引っ張って行ってくれないとねえ。
途中で歴史改変モノになるのかと思いきやそうはならず、でも何故か我々の知ってる歴史とはちょいちょい違った流れになるのも、見ていてなんだかムズムズしてきました。
声高にメッセージを叫びはするものの、結局のところ何が言いたいのか未消化に終わってしまった気がします。ラストも甘過ぎるし。
黒木メイサはアクション(殺陣というよりも、あれはアクションと呼ぶに相応しいでしょう)も無難にこなし、立ち振る舞いも決まっていて格好良かったんですが、終始叫びっぱなしの台詞回しはどうも…。これは彼女だけじゃなく、全体的に皆さんの台詞は聞き取りづらかったですね。
斯様なワケで、自分にとってはちょっと残念な作品になってしまいました。決してつまらなくはないんだけどなァ。