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『ウルヴァリン/SAMURAI』(2013)

『ウルヴァリン/SAMURAI』(2013)_e0033570_0444142.jpgかつて自ら愛する女性ジーンを手にかけたローガンは、カナダの山中で隠遁生活を送っていた。
そんな彼の前に日本の実業家・矢志田の使者と名乗るユキオという女性が現れる。
かつてローガンは第二次大戦中の長崎で、原爆の投下された日に一人の日本人青年を助けていた。
戦後その青年・矢志田は巨万の富を築きあげたが大病を患い余命幾ばくもない。
死に臨んで恩人にお礼がしたというのだった。

矢志田と再会したローガンは彼から意外な提案を受ける。
その治癒能力を与えてくれたら、不老不死の身体に苦しむローガンに、普通の死を与えようと言うのだ。
動揺するものの、その申し出を断るローガン。
その夜、矢志田は息を引き取る。

しかしその死は周囲に大きな波紋を投げかける。
矢志田は自分の死後、会社の後継者に息子シンゲンではなく孫娘のマリコを指名していたからだ。
その葬儀の席上、謎の武装集団によりマリコが襲われる。
ローガンは彼女を守って逃亡するが、彼は大いなる困惑に囚われていた。
何故かその肉体から治癒能力が失われていたからだった…。

『ウルヴァリン/SAMURAI』(2013)_e0033570_045818.jpgX-メンX-MEN2X-MEN/ファイナル・ディシジョンウルヴァリン/X-MEN ZEROX-MEN/ファースト・ジェネレーションに続く「X-MEN」シリーズ通算6作目、ウルヴァリンを主人公にした作品としては2作目となりますが、時系列はちょっとややこしくなっています。

お話は『X-MEN/ファイナル・ディシジョン』のラストを受けて始まり、途中で第二次大戦中の回想が入りますが、『ウルヴァリン/X-MEN ZERO』では南北戦争やベトナム戦争に参加したことが描かれていますので、その間に入るエピソードということになりますね。
また同じ第二次大戦中にノルマンディー上陸作戦にも参加しているようですし、キューバ危機を描いた『X-MEN/ファースト・ジェネレーション』でもチラっと顔を出しますから忙しい忙しい。

今回は日本が舞台ということで大々的なロケを敢行。
メインキャストにも真田広之、TAO、福島リラと日本人が名を連ねています。
芝の増上寺の大掛かりな撮影をはじめ、新宿、上野、秋葉原、更には長崎という設定で広島県の福山市でも撮影が行われていますが、異世界のトンデモJAPANになっていないのでヤレヤレ。
ただ日本人そのものはちょっとカルカチュアされているかなあという気がしますが。
また真田広之は国際的スターですが、後の2人はモデル出身の新人。
誰それ?な感じは否めませんし、2人とも西洋人受けする顔立ちなのがちょっと気になりました。
致し方ないところですが。

『ウルヴァリン/SAMURAI』(2013)_e0033570_0453184.jpg超人的能力を失いかけているローガン=ウルヴァリンと、特殊訓練を受けているとはいえヤクザやニンジャ(1人だけミュータントがいますが)との戦いというのは従来のシリーズに比べてスケールが小さいですが、その分リアルな肉弾戦の妙味は十分味わえると思います。
ぶっちゃけ「X-MEN」シリーズと自分とはあまり相性が良くないのですが、本作は楽しめた部類に入ります。
最初の『X-メン』から13年、ずっとウルヴァリンを演じ続けたヒュー・ジャックマンも渋みを増しましたが、幻として登場するジーン・グレイを演じるファムケ・ヤンセンは幾分厳しくなってきたかなあ。

最後は”戦士”として立ち直ったローガンの姿で幕を下ろしますが、エンドロール途中に挿入されるオマケシーンでは豪華すぎるカメオ出演が、しかも2人も! 
露骨に次回作への伏線を張って行きますが、最近のアメコミ映画のお約束になりつつありますねえ。
今後は同じく20世紀フォックスが権利を持つリブート版『ファンタスティック・フォー』とのクロスオーバーなども予定されているようですが、この際何とかしてソニーの『アメイジング・スパイダーマン』やディズニーの『アベンジャーズ』連合とのコラボなども見てみたいものです。
何とかならないものかなあ…?

【ひとりごと】
3D吹替版で鑑賞。
メインの日本人キャスト3人はいずれも本人吹替。
実績のある真田広之は流石ですが、後の2人は棒読みなのが興醒めでした。
『パシフィック・リム』で菊地凛子を林原めぐみが吹き替えたように、本職が担当した方が完成度は高まったと思います。
またラストのカメオその1はソフト版で演じ続けている大木民夫(TV版だと麦人)だと思いますが、カメオその2は阪脩や有川博ではなくTV版の家弓家正のようなので吹替ファンは混乱するかも。

Commented by まんじゅう at 2013-09-17 07:39
今回は字幕でも前編ほぼ日本語なので、ハラダ役の人だけ?カタコトの日系人だったけど、そういうのも含めて楽しめますよ。
Commented by odin2099 at 2013-09-17 23:15
なるほど~。トンデモ日本語も楽しいですよね。
もう一回見に行く気はしないので(苦笑)、DVDが出たら字幕版もチャレンジしたいと思います。
なんだかんだでシリーズ揃えちゃってるし。
Commented by sakurai at 2013-10-03 13:52
へーー、相性悪いんですか!
偶然と言ってもいい最初の「X-MEN」ではまってしまい、ブライアン・シンガーのマイノリティの世界が好きで、やけに好きなシリーズ。
なもんで、今回のこれは、その路線からの逸脱感が否めず。。
ミュータントをうじゃうじゃ出してほしい!!!です。

しっかし、どんどん成長続けるウルヴァリンってのも大変ですねえ~。
Commented by odin2099 at 2013-10-03 22:02
そうなんですよ。
これまでの「X-MEN」シリーズ、なかなかノレなくて。
特に正編三部作はダメでしたね~。
外伝になってからは割とマシで、前作の『ファースト・ジェネレーション』ぐらいかなあ、素直に面白いと思ったの。
なので次の作品にはちょっと期待してます。
by odin2099 | 2013-09-16 00:50 |  映画感想<ア行> | Trackback(29) | Comments(4)

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