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『白魔女学園』(2013)

傷ついた少女を救う”白魔女”。かつて妹のかすみを救えなかった白鳥もがは、同じような少女たちを守りたいと思い「白魔女学園」へとやってきた。そこには彼女と同じ思いを抱えた少女たちが、”白魔女”になるべく集っていた。そこで生まれる友情、そして反発。上級生の指導の下、日々繰り返されるエチュード(訓練)の中で、一人また一人と少女たちは魔力を覚醒させてゆく。
だが、最後のエチュードは自らの手で友達を殺すことだった。最も強い痛みを抱えた者だけが”白魔女”になれるのだという……。

『白魔女学園』(2013)_e0033570_20124243.jpgアクションとフェチの伝道師」(とコピーにある)坂本浩一監督の新作、というだけで鑑賞決定。脚本は吉田玲子、主演は「痛みを抱える少女代表」でんぱ組.inc(最上もが・夢眠ねむ・古川未鈴・成瀬瑛美・藤咲彩音・相沢梨紗)、相川結、白石さえ、小宮有紗、高良光莉、山谷花純ら。

良く知らないのですが吉田玲子という人は『けいおん!』や『ガールズ&パンツァー』などで評価されている方だそうで(コピーには「”少女”の危うさと魅力を限界まで描写する」とあります)、特撮界、アニメ界、そしてアイドル界という、重なりそうでなかなか重ならない世界同士のコラボというのを前面に押し出しています。それにしても坂本監督、この一カ月半で3本目の新作映画公開とは、ちょっと働き過ぎの感じがありますが。

ホラーテイストと聞いていたので「自分の好きなタイプの映画じゃないかもなあ」と今回はあまり期待しないで見たのですが、思っていたよりも面白かったですね。殆ど救いのないお話でしたけど。
また、”アクション”よりは”フェチ”寄りな気もします。
実際はそれなりの量のアクションシーンが用意されてはいるのですが、アクションヒーローやヒロインが戦うのではなく、あくまでも生身の少女たちなので、バトル臭は薄められているのでしょう。

でんぱ組.incって本当に名前だけしか知らないもので、彼女たちがどういうキャラクターでまたどんなポテンシャルを持っているかわからないで見ていましたが、まあアイドル映画としては及第点でしょうか。もうちょっと可愛い娘がいれば、なんて思ってましたが、見ているうちに段々と輝いて見えてきます。

ラスボスとなるのが白鳥かすみ役の山谷花純。彼女は『仮面ライダー×仮面ライダー ウィザード&フォーゼ/MOVIE大戦アルティメイタム』に続いての出演で、監督直々の御指名だそう。あの時とはちょっと顔立ちが違った気もしますが、なかなかの正統派美少女ぶりを発揮。
小宮有紗は『特命戦隊ゴーバスターズ』のイエローバスターこと宇佐見ヨーコ役でお馴染みですが、監督とは初顔合わせ。幼さの残るヨーコとはまるで雰囲気違いますが、妖艶な感じもなかなかイケます。それに<戦隊>経験者だけあって、ポーズが綺麗に決まりますね。

アクション担当的存在だったのが高良光莉。彼女はホリプロ所属のアイドルですが、アクションが売りなのかな、実に良く動いています。そういえば同じ事務所の桃瀬美咲水崎綾女と3人で「ピンクスパイダー」というアクション中心のプロモーションムービーを作ってましたが、坂本監督は『獣電戦隊キョウリュウジャー/ガブリンチョ Of ミュージック』で桃瀬美咲、次回作の『赤×ピンク』では水崎綾女を起用しているので、これで全員と仕事をしたことに。これは狙っていたのかな。

如何にもなBテイスト、低予算ムービーなのは毎度のことですが、その中で何か一つや二つは光るものを必ず入れてくる坂本監督は、ジャンルムービーの職人と言って良いでしょうね。
好き嫌いは分かれると思いますので誰にでもお薦めは出来ませんが、こういう作品をバカにせず(いや、ちょっとバカにしながらでも良いから)見てみるのもたまにはいいのでは?

【つぶやき】
初日は上映前に舞台挨拶があったようですが、二日目以降も上映後にイベントが。
日替わりゲストが登場するようで、今回は主演の最上もがを迎えての舞台挨拶とネット配信版の第10話(最終話)の生コメンタリー付きの上映会。
それ自体は面白かったのですが、会場の雰囲気には付いていけなかったなあ。
アイドルヲタクはやっぱり怖い……。








by odin2099 | 2013-09-24 20:14 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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