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『秀吉家臣団の内幕/天下人をめぐる群像劇』 滝沢弘康

『秀吉家臣団の内幕/天下人をめぐる群像劇』 滝沢弘康_e0033570_2130458.jpg織田信長の下で才覚を認められ出世し、信長の死に乗じてやがて天下人となるも、その死後に天下は乱れ、遂には徳川の世となる。その流れを「豊臣秀吉」という個人ではなく、秀吉を支えた家臣たちにスポットを当てて描いた一冊。といっても家臣個々人の銘々伝や人物事典のような形ではなく、秀吉家臣団の変遷を幾つかの段階に分け、その流れに沿う形で紹介している。

即ち秀吉出生から浅井攻めまでの「創業期」、長浜城主時代の「建設期」、中国攻め~山崎の戦いの「伸長期」、清須会議~小牧・長久手の戦い「変革期」、関白就任~小田原攻めの「運用期」、豊臣秀長の死~秀吉逝去の「分裂期」、そして秀吉死後~関ヶ原の戦いの「崩壊期」の七段階で、それぞれの時期にどんな人物が秀吉の配下に加わり、どのような役割を果していたか、そして次の段階へ移るに際しどのようなタイプの人物が選ばれ、それによって秀吉政権がどのような性格に変わって行ったかをわかりやすく解説している。

歴史の表舞台にはあまり名前の出てこない人物もいるが、実は秀吉や秀吉家臣団にとっては大きな存在で、もし早くに退場していなかったなら歴史が変わっていたかも、といった新発見もあり、大変楽しくかつ興味深く読み終えた。
by odin2099 | 2013-10-01 21:30 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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