『宇宙戦艦ヤマト2199』第7巻
2013年 10月 12日
ネタバレもします!

前巻までに比べてどれだけボリュームアップしたかはわかりますね。
で、通しで一気に見たのですが――
コスモリバースシステムの仕組みは相変わらずわかりにくいとか、ヤーブはいつフラーケンに拾われたのかとか、まあそういう気になる点も多々ありますが、イスカンダル人の不戦の決意はシャルバート星を彷彿とさせるとか、イスカンダル星の情景はどことなくアクエリアス星を想起させるとか、デウスーラに置き去りにされるセレステラは『ヤマト2』のサーベラーっぽいとか、全体として旧作というより旧シリーズへのオマージュに満ちているのを改めて感じました。
デスラーがヤマト艦内に乗りこんできて白兵戦を繰り広げるシーンは、流れている音楽と相まってどうしても『さらば』を思い出させますし、ガミロイド兵が降下してくるシーンは『永遠に』の暗黒星団帝国の制圧シーンを連想させますし。
――となると、続編だか新作だかはハードル上がりますね。幾つか先行してネタを使ってしまっているだけに。
さて、ボリュームアップなのですが、23話、24話は大きな違いはなし。作画の修正が入ったりとかそういうのはありますが、流れが変わったりということはありません。
24話ラストシーン、ヤマトがイスカンダルから発進するシーンのBGMは、劇場公開時のものではなくTV放映の際に修正されたまんまでした。劇場公開時は「夕日に眠るヤマト」で出航の準備が始まり、飛び立つショットから「元祖ヤマトのテーマ」へと切り替わるという音楽演出でしたが、TV放映版同様錨を上げるショットから「地球を飛び立つヤマト」のメロディーが流れます。
大きく変わるのは25話で、冒頭の岬百合亜のナレーション、というよりラジオヤマトの場面が追加されました。百合亜の喋りのOFFで乗組員の色々なショットが挟みこまれ、艦長室で病床の沖田と会話する古代とか(艦長代理にならないまでも沖田から古代への継承をしっかりやっておかないと、続編作る際に古代が主人公っぽくならないんですけどね)、雪の淹れた不味いコーヒーを噴き出す島とか、見合い写真に真剣に見入る南部とか、加藤と原田、篠原と山本、星名と百合亜とか、色々と膨らまされています。
そして26話のエンディングはTVと違い、「明日への希望」から水樹奈々の歌う曲へと繋いで終わります。TV放映版は若干忙しない、駈け足の印象でしたが、今度はゆったりと見せてくれます。
ただ膨らまされたとはいえ、まだまだ尺の都合で泣く泣く切られたシーンは多々あるようで、同封の絵コンテを見ても加藤と原田の結婚パーティーでは各キャラクターを点描するようなものが皆カット。雪を失った古代と父を亡くした相原の華やかな場にそぐわない感じ、あるいは古代に対して「無理をしている」と言う山本のシーンとか、対ガミラス開戦の経緯を巡ってわだかまりを見せていた島が山崎と和解するシーン、それにブーケトスを受け取った百合亜が「次は僕たちの番」と星名に言われて真赤になるシーンとか、これは勿体ない~。
ソフトを手に取った時には、これで『宇宙戦艦ヤマト2199』がやっと完結したな、と思ったのですが、こうなるとまだまだ、です。削除されちゃったシーンを含めた完全版(アフレコまでは行われていたんだそうで)が見たいですし、結果的に大きく異なるものとなった劇場公開版とTV放映版はそれぞれソフト化して欲しいものです。可能性、あるかな?
なお最終話TV放映の際にラストに流れた「新作公開決定」のテロップ、今回は収録されていませんでした。オーディオコメンタリーでも多少匂わせるニュアンスの発言はありましたが、明言はされていません。どんな形になるのか、楽しみに続報を待ちましょう。