『アブダラと空飛ぶ絨毯』 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
2005年 12月 09日
若い絨毯商人のアブダラは、ある日”空飛ぶ絨毯”を手に入れ、その絨毯に連れて行かれた先で<夜咲花>という姫君に出会い、恋に落ちます。ところが魔神に姫をさらわれてしまうのです。姫の父親には誘拐犯として逮捕され、やっとのことで逃げ出すと今度は砂漠の盗賊に追い掛けられる羽目に。途中で、何でも願い事を叶えてくれる精霊が入った瓶を広い、また戦に敗れて流離う兵士に出会ったり、とアブダラの冒険の旅は続きます。ようやっと隣国へ辿り着き、王室付きの魔法使いハウルの力を借りようとしたのですが、当のハウルは行方不明になっていました・・・。ダイアナ・ウィン・ジョーンズが、『魔法使いハウルと火の悪魔』の姉妹編として書いた<ハウルの動く城>のパート2です。
といっても主人公はハウルではなくアブダラという空想癖のある若者で、”空飛ぶ絨毯”やら”瓶の中の精霊”だのが出てくる、<アラビアン・ナイト>風の物語が展開していくので、続編を期待した人は戸惑うことでしょう。ハウルやソフィー、カルシファー、サリマン、レティーら前作で御馴染みのキャラクターたちも出てはきますが、後半部分というか、殆どが終盤に出てくるだけです。
でもそれでは<ハウルの動く城2>にはなりません。そこにはちゃんとした仕掛けが用意されているのですが、それは読んでのお楽しみ。個人的にはこちらの方が前作よりも楽しめました。またこちらの方が、まんが映画向きだなぁとも感じました。ちょっとディズニーの『アラジン』に似た部分もあるんですが、書かれたのはこちらの方が先のはず。そのあたり・・・考えすぎだとは思いますけれど、ちょっと気になりますねぇ(苦笑)。
なお、映画『ハウルの動く城』は原作とは随分お話が違っちゃってますので、そちらからこのパート2へ繋ぐのは些か無理があります。興味を持たれた方は是非、先に原作を読んでおきましょう。
わたしは「魔法使いハウルと火の悪魔」の方が、入りやすいです。
映画のイメージがギャクに助けになるようです。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズも日本で人気なようですね。
ほとんどの作品が楽天のアフィリエイト対応に画像もついて出ているのに驚きました。 ニーズが高いということなんでしょうね~。
勿論この『アブダラ~』が「アラビアン・ナイト」を下敷きにしているわけなんですが、
それにしてもディズニー・アニメの『アラジン』が、結構この作品の雰囲気に近いんですよね。
タイプは違うとはいえ、どちらもヒロインは強い娘だし。
『ライオンキング』とか『アトランティス』とか、色々疑惑のある(?)会社ですから、
ちょっと気にはなります(苦笑)。





