『シンドバッド/黄金の航海』(1974)
2014年 01月 06日
『シンドバッド/7回目の航海』に続くシリーズの第2弾。
といっても15年ぶりの新作とあってキャストは一新、ストーリーも関連性はない。
怪鳥が落した黄金の銘板に導かれるようにマラビア王国へ辿り着いたシンドバッド(演:ジョン・フィリップ・ロー)は、魔術を使い”悪魔の王子”と呼ばれているクーラ(演:トム・ベイカー)にそれを奪われそうになるが辛うじて逃れ、国を治めている首相に保護されることになる。
後継ぎを定めずに世を去った王から国を託された首相もまた銘板を所持しており、二つを合わせると強大なパワーを秘めた場所への地図となることが判明、シンドバッドの夢に出てきた謎めいた美女、奴隷女のマリアンナ(演:キャロライン・マンロー)らを連れ、クーラの野望を阻止するべく冒険の旅へ出ることになった。
この映画、見るのは二度目なんだけど全くと言って良いほど記憶に残っていない。
16~7年前とはいえ、それだけ印象に乏しかったのだろう。実際、今見ても面白いお話だとはとてもとても…。
この手のお話は悪役が魅力的でないと成立しないが、その点この作品は落第。
クーラは大言壮語する割に魔力も大したことがなく、使うと体力消耗しちゃうし、簡単に破られたり。どっか抜けてる憎めない悪役…ではないはずなのに、案外ドジっ子でどことなく痛々しい。
それにシンドバッドたちやクーラが狙っている超パワーだか財宝だかも、具体的にどんなもので、それを手に入れるとどんな良いことがあるのかの描写もイマイチ。
見ていて、どーしても手に入れなきゃならん!という緊迫感にかけるので、その争奪戦が全く盛り上がらない。
ということで見どころはハリーハウゼンのクリーチャーのみ。
今回は巨大なクリーチャーは登場せず(ケンタウロスとグリフォンが人間より一回り大きいくらい)、むしろ小さいものが主流。技術的にはそちらの方が大変なんだろうと思う。
また手が6本あるカーリー神像が動き出し、シンドバッドたちとチャンバラを繰り広げたり、あろうことか音楽に合わせて踊りだす件は、なまじっか撮影方法を知ってるだけに驚嘆のシーンだ。
それと、もう一つのお楽しみはヒロインのキャロライン・マンロー。
70年代から80年代にかけてのSF、ファンタジー、アクション物には欠かせない、メリハリのついたボディーの女優さんである。