『映画にもTVにもなった ファンタジー・ノベルの魅力』 井辻朱美:編
2014年 01月 07日
書名がとても気になり、実際に書店で現物を確認して購入。映画のガイドブックではなく、あくまでも主体は「書籍」の方で、見開き2ページで作品の「ストーリー」を紹介し、「解説」を付記し、欄外で映像化作品のデータを紹介するという構成になっています。執筆者は編者以外に大竹聖美、金子真奈美、佐竹朋子、高橋尚子、中由美子、西山素代、浜名那奈の諸氏。
取り上げられている作品は全部で101作品で、「美女と野獣」「雪の女王」「クリスマス・キャロル」「不思議の国のアリス」「オズの魔法使い」「ピーター・パン」といった古典的な作品から、「ホビットの冒険」「たのしいムーミン一家」「ナルニア国ものがたり」「まぼろしの白馬」「「シャーロットのおくりもの」「指輪物語」「第九軍団のワシ」、更には「クラバート」「ゲド戦記」「はてしない物語」「チョコレート工場の秘密」「光の六つのしるし」、そして「ハウルの動く城」「黄金の羅針盤」「ハリー・ポッター」「ダレン・シャン」「トワイライト」「魔法の声」「ヒックとドラゴン」「パーシー・ジャクソン」「マジック・ツリー・ハウス」といった最近の作品群まで、かなり多岐に亘っています。
これまでにも同様の企画本は何冊か出ていますが、古くから名作と呼ばれている作品が中心で、ここ数年十数年のファンタジーブームを支えたような近作は除外される傾向が強かったので、ボリュームも然ることながら選択作品の幅の広さは特筆ものでしょう。
「赤毛のアン」「海底二万哩」「アルプスの少女ハイジ」「若草物語」「十五少年漂流記」「ふたりのロッテ」等々一般的な”ファンタジー”というカテゴリにはそぐわないような作品が選ばれていたり、他にも「どうしてアレがあってコレがないの」と感じる部分もありますが、これから本を読もう、映画を見ようと思っている人たちにとって道標となる一冊であることには間違いありません。
出来れば今後、ミステリー・サスペンス物やSF物などでも同様の書籍が刊行されれば嬉しいところですが…。