『フラッシュ・ゴードン』(1980)
2014年 01月 10日
これは大作プロデューサー、ディノ・デ・ラウレンティスが巨費を投じた作品だが、せこいセットとチャチな特撮はなんなんのだろう。やたら悪趣味でキンキラキン、軽薄なのはオリジナルを尊重(?)しているからなんだろうけど、とにかく面白くない。クィーンの音楽もうるさいだけ(でも、ヒットしたんだよなぁ)。公開当時、主演のサム・ジョーンズは『スター・ウォーズ』のマーク・ハミル、『スーパーマン』のクリストファー・リーブと並んで”SF三大大根役者”などとも言われていたが、実はリーブは結構演技派だし、ハミルも才人である。結局消えたのはこの人だけ…?
(と思っていたら、その後も映画には出演し続けてはいるようだ。B級アクション映画の脇役専門のようだけど)
ラスト、ミン皇帝を生死不明にして「THE END…?」と出したあたり、シリーズ化の予定もあったんだろうけどね。
この作品の映画化を熱望し、権利を取得できずに断念、代わりに『スター・ウォーズ』を生み出したジョージ・ルーカスはこの作品をどう思ってるんだろう?眼中にないかな。
マックス・フォン・シドー、メロディ・アンダーソン、オルネラ・ムーティ、ティモシー・ダルトン、トポル、ロビー・コルトレーンら豪華なキャストが今となっては虚しい。
原作アレックス・レイモンド、脚本はロレンツォ・センプル・Jr、そして監督がマイク・ホッジス。
1980年の底抜け超大作。
――てなことを「しねま宝島」に書きましたけど、約30年ぶりに再見。
というか、実は以前見たのはTVで放送されたヤツだから(多分15~20分程度カットされたもの)、全長版を見るのは今回が初めて。
全長版で見ると……グダグダ具合が更に増してるようで、やっぱり面白くない。セットなんかは大掛りなのだけれど、全体に漂う安っぽさ。原作がB級活劇だから、原色で派手派手しいというのも多分狙いなのだろうけど、むしろスマートに作った方が良かったのかも。
首尾よく映画化権を入手したルーカスがリメイクを手掛けたとして、この映画よりも面白くなった保証はないし、むしろ『スター・ウォーズ』を作ってくれて有難う、ルーカス!という気持ちの方が強いけど、なんか勿体ないのも事実。
引退宣言を撤回して、今度こそリメイクしないかな、ルーカス。

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