『考証要集/秘伝!NHK時代考証資料』 大森洋平
2014年 02月 01日
時代物を見る時のお供にとか、歴史のネタ本として楽しめるという紹介の方が分かりやすいのかなと思いますが、個人的には言葉の誤用について色々と教えて貰った本でした。これからは十分に気を付けたいと思います。
著者はNHKのディレクターで、大河ドラマ等で時代考証業務を担当されている方。時代考証というのはこういって良ければ「後ろ向き」の仕事だなあと感じましたね。台本に○○とあったのを、その時代にはなかったから××と改めさせたとか、役者がアドリブで△△とやってしまい痛恨の極みだとか。
元々はNHKの職員向けに、時代物やドキュメンタリー番組制作にあたって間違えの多いもの、気を付けなければいけない点をまとめた資料を作っていたそうですが、それをベースに一般書籍化したのがこの本です。
フィクションなんだから考証は二の次で大目に見よう、という考えもあるかとは思いますが、枠組みがしっかりした中で大嘘をつくのがフィクションの醍醐味。端から存在しえない架空空間で奇抜なことをしようとしても効果は出ません。