『伊福部昭 百年紀 コンサートシリーズVol.1』
2014年 02月 02日
今年は伊福部昭生誕百年ということで様々な催しが企画されているとのこと。その先陣を切ったのが今回のコンサートということになるでしょうか。
映画のために作曲された音楽を、オリジナルスコアを用いてコンサートで演奏するというのはかなり珍しい試みだと思われます。
プログラムは前半が
「銀嶺の果て」より 3つのシーン
メインタイトルと劇中音楽
「国鉄」組曲
国鉄/つばめを動かす人たち/雪にいどむ
「ゴジラ」組曲
メインタイトル/大戸島の神楽/大戸島のテーマ/嵐の大戸島
フリゲートマーチ/ゴジラ東京湾へ/ゴジラの猛威
決死の放送/ゴジラ迎撃せよ/帝都の惨状/エンディング
後半が
「海底軍艦」組曲
メインタイトル/ムウの警告/国連会議臨時招集/海底軍艦試運転1
海底軍艦試運転2/真琴のテーマ1/挺身隊出動/真琴のテーマ2
海底軍艦出撃1/海底軍艦出撃2/エンディング
「地球防衛軍」組曲
ミステリアン去る/第一次攻防戦/モゲラ出現/調査隊富士へ
地球防衛会議/アルファ号とベータ号/攻撃準備/ミステリアンの報復
マーカライト・ファープ/非難120km/電子砲猛攻撃/エンディング
そしてアンコールは「ゴジラVSキングギドラ」組曲という内容でした。
構成:鹿野草平、監修:井上誠、企画:西耕一、スペシャル・アドバイザー:西脇博光、
齊藤一郎:指揮、演奏はオーケストラ・トリプティーク、
すみだトリュフォニーホールでの鑑賞です。

このコンサートは行こうかどうしようか散々迷い、かなりギリギリになってチケットを取ったのですが、生で聴いたのは正解でした。
オリジナルサウンドトラックだと録音状態や演奏技術等々もあり、あまり表に出てこないフレーズをしっかりと確認出来たという意義も大きいのですが、とにかく今回の演奏家たちのパワフルな熱演、これに尽きます。
弦楽器群の重量感、重厚感も良かったのですが、圧巻だったのはパーカッションの方たち。これでもかこれでもかと鳴り渡る太鼓は、ビリビリと耳に響きます。ここまで迫力ある音を体感したことはこれまでありませんでした。
それに演奏のテンポも良かったですね。サウンドラックの演奏は『海底軍艦』にしろ『地球防衛軍』にしろ、自分の好みからすると遅いのですが(先に『SF交響ファンタジー』に慣れてしまっている所為もあります)、今回は遅すぎず早すぎずの匙加減。
『銀嶺の果て』が組曲の構成としてはあっさりな気がするのと、馴染みのない『国鉄』(といってもフレーズは馴染みのあるものがありますが)で若干睡魔に襲われかけたものの、至福の時でした。
この日の演奏はCD用の録音も行われているとのアナウンスがありましたので、そのうちライヴ盤が発売されるかも知れませんが、さて生で聴いたこの興奮をどこまで再現してくれるものやら…。