3本発売されたメイキングDVDの1本で、主演の芳賀優里亜をメインフューチャー。
皐月というのは性同一性障害に悩むという難しい役処だけに、若手の女優やらグラビアアイドルやら何人もの候補が検討されたものの、今一つ決め手に欠くなかで上がった名前が「芳賀優里亜」。
監督のイメージとも合致してオファーしたところ、本人も期するところありで実現した、いわば奇跡のキャスティング。
原作者の桜庭一樹も、どうやらリップサービス抜きで気に入っているらしい。
今回彼女に課せられたのは、男の子でも女の子でもないというキャラクターの内面を描き出すこと。
それは役に入り込んでいるときの彼女の表情と、本編カメラが回っていない時の素の彼女の表情とのギャップを見れば立派に成功していると言えるだろう。
またフルヌードのシーンも誤魔化しなく、正々堂々とチャレンジ。
メイキングDVDという性格ゆえに出し惜しみをしているかと思いきや、かなりのシーンが収められてるので、そちらに期待している向きにもお勧めかと。
そして坂本浩一監督と言えばアクション。
空手家という設定だけに、こちらも手抜きなしの現場の雰囲気が伝わってくる。
映像を見る限り、ハードな場面では人見早苗がスタントを演じているようにも見えるが、基本は彼女自身がかなりのシーンを演じ、その俊敏な身のこなしとキリっとした表情には惚れ惚れとする。
彼女には更なるステップへ、是非とも挑戦してもらいたい。