『ウォルト・ディズニーの約束』(2013)
2014年 04月 16日
ディズニー映画『メリー・ポピンズ』の製作秘話。
娘との約束で『メリー・ポピンズ』映画化を狙うウォルト・ディズニーだったが、原作者のP.L.トラヴァースは頑として首を縦に振らない。
20年もの歳月が流れ経済的に困窮し、やっと重い腰を上げて映画化に向けての話し合いに応じる意向を見せたトラヴァースだったが、脚本に文句をつけ、ミュージカル化、アニメ化には悉く反対、出演俳優にもクレームを付ける有様。
一体彼女は何故、頑ななまでに映画化に反対するのであろうか…?
頑固一徹ワガママおばさんの繰り出すクレームの嵐に、必死に耐えるディズニーはじめ脚本家や音楽担当のシャーマン兄弟たち。見ているうちに彼らが気の毒で気の毒で……と多くの人が感じるのではないかと思うのだが、自分はむしろトラヴァース女史に同情的。自分の大切なものが、無理解な他人の手によって改竄されていくということは、創作者たるもの決して受容出来るものではないだろうと考えるからだ。
中には「原作者」と割り切って完成した映画との距離を上手く取っている人もおられるだろうが、よほどのことがない限り内心忸怩たる思いをしているのでは、と想像する。
逆にそれだけのプライドを、自作に対しては持っていて欲しいとも願う。
ともあれ、トラヴァース女史とディズニースタッフ側とのやり取りはまるでコメディ映画のようであったが、かなりの部分が実話に基づいている由。事実は小説よりも奇なりと言ったところか。
ディズニー映画でディズニー本人を描くのだから、実のところかなり美化しているのではないかという疑問もないではないし、クライマックスにおけるウォルトの女史に対する台詞の説得力や、それを受けての女史の変心の理由に今一つ得心が行かなかったりもするのだが、女史の少女時代の回想と現代を織り交ぜた構成や、巧みな配役陣の好演もあって愉しめた一本。
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『ウォルト・ディズニーの約束』 ---SAVING MR. BANKS---2013年(アメリカ)監督:ジョン・リー・ハンコック出演:エマ・トンプソン、トム・ハンクス 、ポール・ジアマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、ルース・ウィルソン 、B・J・ノヴァク 、アニー...... more
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きっと女史も、頑固になりすぎてる自分を、どこかで解き放とうとしてたんじゃないでしょうかね。
そのいいタイミングに、ジアマッティの関与があったのかな~と。
なので単に難癖つけてるだけのように見えてしまうことも。
絶対に映画化に反対ならば打ち合わせに出なきゃいいワケだし、お金に困ってどうしてもというなら、それなりの妥協点を持たないとねえ。
運転手さんとのエピソードは、全体のガス抜きというか、箸休めみたいなパートでしたね。