『ピープルVSジョージ・ルーカス』(2010)
2014年 05月 06日
愛憎渦巻くファンたちが、ジョージ・ルーカスを時に賞賛し、時に罵倒するというドキュメンタリー映画。ジョージ・ルーカスが作り上げた「スター・ウォーズ」(と「インディ・ジョーンズ」も)が、如何に多くの人々を魅了し、影響を及ぼしたかの証明でもある。
概ね「スター・ウォーズ」旧三部作が大絶賛され、手直しした「特別篇」は許されざる悪行と断罪され、新三部作は旧来からのファンヘの裏切り行為、更に「インディ4」でルーカスは終わった、というような流れのようだが、これが多くの人の反応なんだろうか。
映画(作品)は誰のものなのか? というのは難しい問題で、作った人間が如何様に手を入れようとも文句を言う筋合いじゃないというのも正論な気がするし、一方で一度公開されたらそれはパブリックなものだ、というのも頷ける話。
個人的にはルーカスが過去作をアップデートしようという行為を否定はしない。
それによってクオリティが上がり、次世代への作品の命脈が保たれるなら、それはそれで良いことだと思ってる。「特別篇」以降の改変部分が納得行くか行かないかは、あくまでも個人の好み、主観の問題だろう。
ただその一方で、自らの思い出と共に生き続けるオリジナル版の価値も十分に承知しているつもりでもある。なのでオリジナルはオリジナルとして大切にし、都度都度アップデートした”最新版”をヴァージョン違いとして共存させてくれれば文句ないのだが、旧ヴァージョンが悉く封印、抹殺されるという現状は承服しがたいものがある。
まあ結局のところ、なんだかんだで皆「スター・ウォーズ」もジョージ・ルーカスも大好きだってことなんだろう。
複雑な感情を伴いながら、ではあるけれど。
この映画が製作・公開されてから状況が変わり、今は「作らない」と言われていた続編が製作中だが、この映画に出てきたようなファンたちは、そのニュースをどんな思いで聞いたのやら。