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『人造人間ハカイダー<ディレクターズカット版>』(1996)

<東映スーパーヒーローフェア>で上映された『人造人間ハカイダー』に、未使用映像を交えて再編集した”完全版”という触れ込みの作品で、オリジナル版公開から1年経ってビデオとLDでリリースされた。
上映時間は52分から77分とかなり長くなったが、単に引き延ばした訳ではなく、逆に台詞を大幅にカットしたシーンがあったり、音楽を追加録音して差し替えたりとかなり異なる印象になっている。

以前観た時は

今一つ乗れなかった公開版に対し、この<ディレクターズカット版>でようやっと『ハカイダー』という作品が完成した感じ。
<スーパーヒーローフェア>という枠の制約は大きかったのでは?

というような感想を抱いたのだが、改めて観ると公開版のスピーディーさも捨てがたい。
リョウ(=ハカイダー)とカオルの恋愛ドラマとしての部分が強まり、監督としては”完全版”を自負しているのかも知れないが、「ヒーロー映画」としての完成度を高めたのが公開版という捉え方も出来そうだ。

『人造人間ハカイダー<ディレクターズカット版>』(1996)_e0033570_21480671.jpgただ当時から残念に思っている点が二つ。
一つは追加シーンがフィルム仕上げではなくビデオ仕上げになっていること。
画質が全然違うこともあるし、限定公開された時は通常の上映ではなくビデオ・プロジェクターによる上映になってしまったようだ(加えてDVDは何故か、両方のヴァージョンの収録されているスクリーンサイズも異なっている)。

そしてもう一つは音楽。
エンドロールで主題歌が流れなくなったことはさておき、渡辺宙明作曲による「ハカイダーの歌」のアレンジ曲と、『キカイダー01』のBGMである通称「悲しみのマリ」(公開版ではカオルの夢のシーンで使われた)も差し替えになってしまったことだ。
この二曲あっての新『ハカイダー』の音楽だと思っていたのだが…。

【ひとこと】
カオル役の宝生舞をビジンダー役にした続編企画もあったが実現せず。
これは見てみたかったなあ…。

by odin2099 | 2014-05-20 22:00 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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