『X-MEN/フューチャー&パスト』(2014)
2014年 06月 02日
2023年、殺戮兵器センチネルによってミュータントは全滅の危機に瀕し、かつての宿敵マグニートーもプロフェッサーXと手を組んで抵抗していたが、一人また一人とX-MENたちも倒れていた。全ては1973年、ミスティークがセンチネルの開発者トラスク博士を殺害したことが発端だった。
トラスク博士の死は計画を白紙に戻すどころか開発に拍車をかけ、捕えられたミスティークから採取されたDNAが強力な武器となっていたのだ。
そこでキティ・ブライドの能力によってウルヴァリンの精神を過去の彼自身に戻し、ミスティークの計画を妨害し、歴史を改変しようと試みる。
過去の世界の若きプロフェッサーX=チャールズ・エグゼビアとマグニートー=エリック・レーンシャーの協力を得て、ミスティーク=レイブンを探し出そうとするウルヴァリンだったが、全てを失ったチャールズは世捨て人同然の暮らしを送り、エリックはJFK暗殺犯として監禁されており、しかも二人の心は大きく隔たっていたのだった…。
<X-MEN>シリーズの7作目。
前作『ウルヴァリン/SAMURAI』のラストでローガン(=ウルヴァリン)の前に現れたプロフェッサーXとマグニートーは、来るべき大きな戦いを示唆していたが、それが実際に起こった後から物語は始まる。
過去へ飛んで以降は前々作『X-MEN/ファースト・ジェネレーション』の続編として進行するという具合にシリーズ全作を横断するような構成で、直接関与してこないのは番外編色の濃い『ウルヴァリン/X-MEN ZERO』ぐらいだろうか。
よってこれまでのストーリーを把握していないとかなり辛い内容で、基本は一見さんお断り。そもそも7作目となるシリーズ作品が一見さんに配慮する必要もないと思うが、逆に全作観ているファンなら更に楽しめること請け合い。
細部を忘れてしまっていたので、シリーズを見直さなかったことを少々後悔している。
過去を改変することで、今までの歴史及び作品世界は「なかったこと」にされてしまったのはファンには残念なことかもしれないが、シリーズを延命する上では賢明な措置。
矛盾点の解消や死んでしまったキャラクターの復活も容易で(実際今回も何人かのキャラクターがラストでカメオ出演している)、今後の新たなる展開にも期待。
エンドロール後の映像でも伏線が張られていたように、続編の公開が2016年5月に予定され、ウルヴァリンを主人公にした3本目の作品が2017年3月、更に2018年7月に更なる新作も予定されている。
新作の方はデッドプールやガンビット、ミスティークを主人公にしたスピンオフだという声やX-FORCEというチームを主役にしたもの、あるいはリブートされる『ファンタスティック・フォー』との共演作など様々な噂が出ている。
またヒュー・ジャックマンは以前からウルヴァリンとして『アベンジャーズ』に出演することを希望しているが、はたして実現するだろうか。
3本目のウルヴァリン映画で勇退を示唆しているだけに、何とか20世紀フォックスとディズニーの英断を望みたい。
【ひとりごと】
ミスティークの吹替えは暴挙としか言いようがないが、違った意味でヤバいと思ったのがパトリック・スチュワートを吹き替えた大木民夫とイアン・マッケランをアテた家弓家正の両大御所。
元々のパトリック・スチュワートとイアン・マッケラン自身もかなり年齢を感じさせる容貌になっていたが、ご両所とも声の張りを欠いていて一層二人の弱々しさを強調してしまう結果に…。
いつまでこんなあほなことしてるのか、不思議でたまらんです。
一から順番できっちり見てきた身としては、なんだか釈然としてません。
既に出来上がってるものに手を加えるだけだし。
吹き替えはひどかったですね
脇役ならまだしも、メインキャラにもってくるってのは、
プロメテウスで反省してなかったということでしょうか
確かに、作品がこけても声のせいにはされませんから、
むしろ大ヒット→次もいってみようになっちゃってるのではと危惧してます
全体的にはクオリティが上がっているのでしょうが、一部の人がそれをぶち壊し…。
最近はベテラン声優さんの訃報が続いていますし、名優の名演技を台無しにする行為は許すべからざることだと考えています。
が、送り手は作品のことなんか考えていないんでしょうね。劇場公開は一過性のものですが、せめてDVDやBlu-ray化する際には、後世に残るような素晴らしい作品に仕上げて欲しいものですが。





