久々に見てみたくなってDVDを引っ張り出してきた。
スーパー1はシリーズ7作目、通算9人目の仮面ライダー。
惑星開発用に生み出された改造人間という出自のほかに、”赤心少林拳”の使い手としての側面をも持ち、格闘技を前面に押し出したアクションが特色である。
この1981年春の<東映まんがまつり>で上映された映画版では、世界征服を企むドグマがマタギの里・山彦村に伝わる古代中国の”空飛ぶ火の車”を強奪。
それを阻止せんとするスーパー1との対決を描いているのだが、山彦村は赤心少林拳の流れを汲む”マタギ拳法”の使い手が暮らす村であり、対するドグマの新怪人たちも”地獄谷五人衆”と呼ばれる拳法使いの顔を持ち、それぞれの変身前のアクション・シーンにも力が注がれている。
それはスピーディーなカット割り、テンポの良い編集と相俟って、今日の目で見てもなかなか魅せるものであり、単なるお子さま向け映画とバカにしたものではない。
特にスーパー1=沖一也(演じているのは、元・自衛隊レインジャー部隊出身だという高杉俊价)の師・玄海(幸田宗丸、好演!)が、素手で怪人を倒してしまうのに至っては、爆笑一歩手前の素晴らしさ。
上映時間も45分程度の中篇であり、”空飛ぶ火の車”の都市破壊シーンだけでなく、お約束の再生怪人軍団の登場、歴代の8人ライダーの客演と画面上の見せ場も充実。
本来8人ライダーの登場は予定されていなかったそうで、素顔での客演もなく(V3の声のみ宮内洋が担当している)取って付けた印象は拭えないのだが、TVシリーズでの客演が叶わなかったことを考えれば、これは素直に劇場へ足を運んだ子供たちへのサービスだと受け止めよう。
<まんがまつり>で上映されたライダー映画の中では一、二を争う出来栄えだ。
個人的にはこの時の<まんがまつり>は、メイン・プログラムの
『白鳥の湖』(DVD化希望!)をはじめ、『一休さん/春だ!やんちゃ姫』、それに『オタスケマン』と、いずれ劣らぬ秀作揃いだったと思っている。
確か当時は映画館で粘って、全作品を都合3回くらいずつ見ているはずだ。