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『クロスファイア』(2000)

炎を操る超能力を持つ青木淳子は、その能力故に他人との関わりを拒否して生きてきたが、ふとした切っ掛けから会社の同僚多田一樹と親交を深めていく。だがそんな矢先、一樹の妹雪江が不良少年グループにゲーム感覚で殺害されるという事件が起きる。しかもリーダー格の小暮昌樹は有力者である父のコネと未成年ということから無罪で釈放されてしまう。
復讐しようとする一樹を制し、自ら小暮を殺害すると宣言した淳子は、近付いてきた対犯罪組織のメンバーである木戸浩一の助けを借りてグループに制裁を加えるが、小暮は難を逃れていた。
一連の事件を追う警察官の石津ちか子と牧原康明は、超能力者が絡んでいることに気付くのだが…。


『クロスファイア』(2000)_e0033570_19425103.jpg宮部みゆきの同名小説に、前日譚にあたる『燔祭』も交えて再構成し、矢田亜希子主演で映画化したもので、共演は伊藤英明、原田龍二、長澤まさみ、吉沢悠、徳山秀典、永島敏行、桃井かおり。監督は金子修介で、<坂本浩一監督祭り>の陰で<金子修介監督祭り>も地味に継続中。
他に本田博太郎、中山忍、蛍雪次郎、藤谷文子、小松みゆき等もチョイ役で出ているが、このあたりは金子組の常連俳優といったところか。
長澤まさみはこれがデビュー作で、東宝シンデレラに選ばれてから撮影に入るまで一カ月もなかったらしい。


公開時に劇場で観て以来なのだが、改めて『美女と液体人間』や『電送人間』、『ガス人間第一号』ら往年の東宝特撮映画<変身人間シリーズ>の延長線上に位置しているというか、それを現代(といってももう15年近く前ではあるが)に再現した作品という香りが色濃い。またこれは金子監督自身の狙いでもあったようだが、そろそろ後に続く作品が欲しいところ。


孤独に生きてきたヒロインを体現した矢田亜希子のちょっと斜めに構えた演技、そしてそれを受ける永島敏行と桃井かおりの二人が好演。
その一方、伊藤英明も吉沢悠も矢田亜希子に食われてしまって存在感に乏しく、原田龍二も桃井かおりと一緒の芝居場が多いので損をしているように思える。


【ひとりごと】
当時は長澤まさみが可愛いなと思っていたけれど、今見ると序盤で殺されてしまう多田幸江役の浜丘麻矢の方が可愛く見えるな。全然知らない娘だったけど、実はこの頃チャイドルとして人気があったらしい…。


Tracked from 或る日の出来事 at 2021-09-18 21:06
タイトル : 「クロスファイア」
宮部みゆきさんの原作は、好みだった記憶がある。... more
by odin2099 | 2014-11-17 19:45 |  映画感想<カ行> | Trackback(1) | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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