『オペラ座の美女』<女子大生桜川東子の推理> 鯨統一郎
2014年 11月 22日
前作からタイトルに名前の出るようになった<桜川東子シリーズ>の5冊目です。
前回は歌舞伎に絡めたミステリー短編集でしたが、今度のテーマはオペラ。「カルメンと殴殺」「椿姫と毒殺」「蝶々夫人と刺殺」「フィガロの結婚と悩殺」「サロメと絞殺」の5作が収められています。
1冊目から9編→8編→7編→6編ときて、今回は5編ですねぇ。なにやらカウントダウンは継続中の様子…。
基本パターンは毎回同じですが、前回からレギュラー入りした坂東いるかの重要度が増してますね。いずれ彼女は独立した作品のヒロインになるか、あるいは桜川東子と共に早乙女静香らと共演する作品が書かれそうな気がします。
作中の事件とオペラ作品との関連付けはキツい面もありますが、これはその無理矢理なこじ付け感も含めて楽しむものなんでしょう。併せて、本筋とは全く関係ないヤクドシトリオによるレコード大賞ネタ(トリビア)も。
とはいうものの、オペラ作品への新解釈なども盛り込まれ、ああ、そういう見方も出来るのか、などと感心する場面もあったりして。特に「フィガロの結婚」や「サロメ」のはそっちの方が面白そう…。