『リトル・キングダム/≪小さき者≫たちの大きな冒険』(2012)
2015年 01月 09日
原題は”Lord of The Elves”、『ホビット』のヒットを当て込んで作られたアサイラム製のファンタジー・アドベンチャー。
自然と調和して平和に暮らしている≪小さき者≫ツリー族。
だがある日突然、空飛ぶドラゴンに乗った凶暴なロック族に襲われ、ある者は捕らわれ、ある者は殺された。
浚われた妻を助けるため子どもたちと後を追っていたタクテクは、途中で人間族の戦士たちと知り合い、彼らの協力でロック族の居場所を求める苦難と冒険とに満ちた旅を続けることに――。
幻想の超古代とか神話に彩られた世界、を期待して見始めたら、いきなり舞台設定が「インドネシア/フローレス島/12000年前」と出てくるので拍子抜け。
題名には「エルフ」なんて入っているけれど、ドワーフとか魔法使いとかの類も出てこないし、巨大クモや毒トカゲは襲ってくるけれど、基本は未開地の原住民たちがドタバタ騒ぎを繰り広げるだけでファンタジー的要素は乏しい。
これならむしろ恐竜と共存するシチュエーションの方が自然だ。
またメインキャラの≪小さき者≫を演じているのは、いわゆる小人俳優の皆さんなので「ホビット」というよりはジョージ・ルーカスの『ウィロー』を思い浮かべて貰った方が良いだろう。
ビリングトップはバイ・リンだが、彼女は旅に同行する人間族の女戦士の役で、一応はアクションとお色気担当ということになるのだろうか(別にサービスショットはないけれど、この手の作品では定番の皮のビキニに身を包んでいる)。
クリストファー・ジャッジが人間族最強の戦士という抑え役を演じている。
まあまさか『ホビット』と間違えて借りる人もいないだろうけど、『ホビット』的なものを期待して手に取った方はお気の毒。
『ロード・オブ・ザ・リング』の時はもうちょっとそれらしいモドキ映画が何本も作られていたと思ったんだけどなあ。
