『スパイ・レジェンド』(2014)
2015年 01月 17日
『007/ダイ・アナザー・デイ』からもう13年になるんですねえ、ピアース・ブロスナンが、凄腕の伝説的スパイを演じる最新アクション作品を観てきました。
原作はビル・グレンジャーの<ノベンバー・マン>シリーズの一冊。
<ノベンバー・マン>というコードネームを持つ元CIAエージェントのピーター・デヴェローは静かな隠遁生活を送っていましたが、昔の恋人ナタリアがロシアが雇った女殺し屋によって危険にさらされていることを知り救出に向かいます。が、彼女はピーターの眼前で凶弾に斃れてしまいます。手を下したのはピーターの教え子メイソンで、CIAは素性がばれた彼女を処分する決断を下したのです。かつての師弟は互いに銃を向け合う関係になってしまいます。
ロシアの大統領候補フェデロフのスキャンダルを追っていたナタリアは、死ぬ前にミラという女性の名前を告げます。彼女の行方を追ったピーターは手掛かりを知るアリスという女性に接近しますが、殺し屋もCIAもまた彼女を狙い……ということで、ミラはどこにいるのか、アリスは何を知っているのか、そして真の黒幕は誰なのか?という興味で引っ張るサスペンス物です。
誰が味方で誰が敵なのかというどんでん返し。東西冷戦終結後、外部に明確な敵が設定出来なくなり、スパイ物は得てして組織内部に敵がいるパターンが増えてきましたが、この作品も御多分に漏れません。深読みし過ぎてしまうと誰も彼もが怪しくなってきますが、それでも「ほほー、そう来たか」ぐらいには十分楽しめると思います。自分はとあるキャラクターを勘繰りすぎてしまってましたが…。
『ダイ・アナザー・デイ』を観た時は流石に年齢を感じさせたブロスナンですが、引退した”伝説のスパイ”の役ともなればその経験がものを言い、俄然生き生きとしてきます。以前にもブロスナンは『テイラー・オブ・パナマ』で”元007”的な役柄を演じてましたが、格好良さはこちらの方が断然上。まあアレはどちらかというと悪役っぽいキャラクターだったこともありますが。
ただこの作品は、ブロスナンがかつて演じた「007」の延長線上にはありません。同じ「007」で例えるなら、むしろダニエル・クレイグ版の方の雰囲気に近いかも。
ブロスナンは確かに格好良いですが、特筆すべきはヒロインを演じたオルガ・キュリレンコでしょう。繊細で可憐で妖艶で…と幾つもの顔を見せてくれます。
『007/慰めの報酬』のボンドアクトレスだった彼女の起用は偶然でしょうか、狙いでしょうか。あの作品の彼女はさして魅力的だとも思わなかったのですが、本作の彼女は絶品です。
わが国では残念ながら小規模の公開となってしまいましたが、既にシリーズ化も決まっているとのこと。続編の劇場公開は望み薄かもしれないですが、ブロスナンの大活躍、あともう何本かは観ていたいものです。原作小説は全部で13作あるそうなので、ネタには当分困らないでしょうし。
【ひとこと】
メイソン役のルーク・ブレイシー、彼はこれから来るかも…?
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【THE NOVEMBER MAN】 2015/01/17公開 アメリカ R15+ 108分監督:ロジャー・ドナルドソン出演:ピアース・ブロスナン、ルーク・ブレイシー、オルガ・キュリレンコ 奴が通った後に、生き残ったものはいない Story:かつて“ノベンバー・マン”というコ...... more
あの下宿の娘が怪しいと思ったのは「キャプテンアメリカ ウィンター・ソルジャー」を見ちゃったからだな。
ありえない話で言うとブロスナンの娘が事件の黒幕と言うのが一番、常識的にありえないんだけど、実はロシアのフェデロフこそが真の黒幕で、自分のスキャンダルをエサにCIAの内部崩壊を計画していたという話だってできそうだ。割とこいつこそが黒幕だって決定打がないんですよね、今の黒幕に。
しかもとばっちりで大怪我させられて可哀想。
確かにあの娘がエージェントだったら『キャプテン・アメリカ2』になりますね。
黒幕は、捻った挙句に一周しちゃって元に戻っちゃった、という感じがしました。
結局誰に置き換えてもお話は成立しますね。ミラだって良いんだし……。