『旌旗流転』<アルスラーン戦記>9 田中芳樹
2015年 01月 19日
正体不明の仮面の騎馬軍団に侵攻されたシンドゥラ国からの救援要請に応え、アルスラーンはパルス軍を率いてトゥラーン領、そしてチュルク領を越え、シンドゥラへと進撃する…というところから始まる第9巻。どうも間が空くと、前の巻がどこまでお話が進んでいるのか忘れてしまう。困ったもんだ。
しかし読みはじめるとあら不思議、アルスラーンが、ダリューンが、ナルサスが、ファランギースが、ギーヴが、ラジェンドラが、目の前で躍動してくれるのである。うん、やっぱり<アルスラーン戦記>は自分にとって別格なお話なのだな。
チュルクの尖兵となっている仮面兵団を率いるのは勿論”銀仮面卿”ことヒルメス。一方ミスル国では”偽のヒルメス王子”を立ててパルス侵攻を目論み、それとは別の蛇王ザッハークを信奉する輩によってアルスラーンの身辺が騒がしくなり、と各キャラクターの毒舌を愉しむだけではない大きな展開がこれから待ち受けている。
先ごろまさかまさかの<タイタニア>完結が報じられたが、次に完結するのはこの<アルスラーン>であろうか。