「東京交響楽団 演奏会」
2015年 04月 26日
4/25の『東京オペラシティシリーズ第85回』と、4/26の『ミューザ川崎シンフォニーホール名曲全集第106回』、二日続けて東京交響楽団のコンサートへ行ってきました。
『銀河鉄道999』の音楽をコンサートでやる!
――ということで勇んでチケットを取ったのですが、「秋山和慶の『鉄道讃歌』」というコピーにある通り、実際は「蒸気機関車」縛りのクラシック音楽を集めたコンサートでした。
プログラム第一部は
E.シュトラウス:ポルカ「テープは切られた」
J.シュトラウスII世:ポルカ「観光列車」
ヴィラ=ロボス:カイピラの小さな列車(ブラジル風バッハ第2番より)
ロンビ:コペンハーゲンの蒸気機関車のギャロップ
オネゲル:パシフィック231
第二部が
青木望:組曲「銀河鉄道999」
という組み合わせ。
指揮は秋山和慶、ソプラノ(スキャット)半田美和子、コンサートマスターは水谷晃、それにナレーションで堀江一眞が参加しています。
第一部は知らない曲ばかりで非常に不安…。
この中で辛うじて聴いたことがるのは「ブラジル風バッハ」と「パシフィック231」ぐらい。
でもポルカは2曲とも親しみやすかったし(もしかすると聴いたことあったかも?)、他の曲も色々と工夫を凝らし、聴いているだけで列車に乗ってるような気分を味わえるものでした。
蒸気機関車ならではですかねぇ。
リニア新幹線を題材に曲を作るとなると、こういう具合にはいかないような気がします。
また何れも演奏時間が短く、長いものでも10分ありません。
なので第一部は30分足らず、あっという間に終わってしまいました。
そして第二部がいよいよ「銀河鉄道999」。
きちんとコンサート形式で演奏されるのは今回が初めてかもしれません。
「序曲」に始まり、「慕情」「挑戦」「不思議な星」「流浪」「冒険」「出会い」「終曲」と全8曲がノンストップで積ぎだされてゆきます。
LP、次いでCDを聴き込んでる身としては若干の違いを感じましたが、それを補って余りある生の迫力。
同時期に同じように組曲としてリリースされた『キャプテンハーロック』や『サイボーグ009』の劇伴に比べて、気に入るまでに相当時間がかかったこのTV版『999』でしたが、そういった思い出も含めて愛おしく思えます。
ただ、発表された時から懸念のあったナレーション、これがせっかくの素晴らしい演奏を台無しにしてしまっていたのが残念でした。
まずナレーションの原稿そのものが、おそらく作品を熟知していない人の手になるものなのでしょう。
TV版の音楽に劇場版のナレーションを付けるなんて邪道以外の何物でもないですが、それに目をつぶるとしても疑問符が幾つもついてしまうようなものでした。
そして読み手もまた作品の知識が乏しいと思しく、固有名詞のイントネーションがおかしかったり、音楽と釣り合わないテンションの高さも気になりました。
更に曲を分断してナレーションを挟んだり、あろうことかナレーションを曲に被せたりと、コンサートの価値を貶める方向へ導いていきます。
誰の発案で誰の演出だったのかはわかりませんし、聴きに来る人に『999』の知識がないと見て良かれと判断したのでしょうが、不必要な配慮はむしろ害になるだけです。
コンサートはアンコールもなく終了し、休憩時間20分を含めてもトータルで100分ちょっとは非常にコンパクト。
というよりも正直言ってかなり物足りなさも感じましたね。この流れだと、アンコールでTV版主題歌ぐらい演奏して欲しかったものです。
また今度はオール『999』プログラムのコンサートも、是非どこかで企画して頂きたいところ。
今回はTV版のみでしたが、劇場版で『交響詩銀河鉄道999』『交響詩さよなら銀河鉄道999』がありますし、『エターナル・ファンタジー』の音楽集も素晴らしいし、同じ青木望先生が手掛けた『交響詩銀河鉄道物語』だってあります。
音楽面はかなり充実していると思うのです。
さて、二日間で同じプログラムの曲を異なるホールで聴いたのですが、やはり素人にもミューザ川崎は良い音に聞こえますね。
これはオペラシティが1階席とはいえ最後尾に近い、しかもセンターとはいえサイド寄りの座席で、ミューザがセンターブロックの正にど真ん中、ステージとも非常に近い座席だったということも関係しているのかもしれませんが。
【ひとこと】
26日の川崎には作曲家の青木先生がいらっしゃってまして、最後に紹介されていました。
両日、あるいはどちらかに松本先生来ているかなと思ってましたが、いらっしゃらなかったようですね。
【ひとりごと】
ナレーションが良かった!
というTweetが幾つかあって、世間一般の反応と自分とのギャップに驚く(^^;
まあ、東京交響楽団さんがリツイートしてるのが多いから、悪口はないのかも知れませんが…。

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