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『未知との遭遇<ファイナル・カット版>』(1999)

『未知との遭遇<ファイナル・カット版>』(1999)_e0033570_21433069.jpg『未知との遭遇』は大好きな作品だと公言してますが、このヴァージョンは今まで観たことありませんでした。
この<ファイナルカット版>は、簡単に言えば<劇場公開版>をベースにして<特別編>をミックスしたもので、ランニングタイムも3ヴァージョンの中で最長です。

細かい違いを指摘するほど見まくってはいませんが、おそらくこの<ファイナル・カット版>で新たに追加されたり差し替えられたシーンはないようです。


本来なら、やり残した部分を撮り不要な部分をカットした<特別編>が”完全版”であるべきなんでしょうが、その際にスピルバーグは不本意ながら追加させられたシーンもあったようなので、それらを省いた”決定版”ということになるのでしょう。


ということで久しぶりに観返した『未知との遭遇』ですが、考えてみると真面な人物が殆ど登場しませんね。
ロイは不可思議な体験をしたから変貌した訳ではなく、元からかなり”変わり者”の部類だったでしょうし、ロイの妻ロニーもロイとは違った子供っぽさがあって”良き妻”、”良き母親”とまでは言えなさそうです。
プロジェクトを統括するラコーム博士は一見すると冷静で理知的な人物に映りますが、こういうプロジェクトを立ち上げ推し進めようとするくらいですから、おそらく周囲との軋轢を相当生んだ”変わり者”ではないでしょうか。


主要な登場人物が揃って奇人・変人オンパレードという映画ではありますが、それでも最後が壮大なファンタジーと化すので、観ていてそれほど嫌悪感や違和感を抱かないんだと思います。
途中まで理詰めで攻めているので、その最後のファンタジー描写も許容範囲なんでしょうね。


UFOの公式報告を拒む旅客機のパイロットたち、UFO接近に伴って生じる不可解な現象、インドの老人やロイ、ジリアンらUFOを目撃した人たちが日焼けしているとか、そういう細かいディティールの積み重ねが大切な要素。
でもそれで行くなら、クライマックスシーンでデビルズタワーの基地にいる人たちは全身水ぶくれになりそうなもんですが、サングラスだけで済んでしまうあたりリアルとホラ話との絶妙な匙加減と言えるでしょう。
そういやデビルズタワーから人々を退去させる口実に使っているのはエボラ出血熱だったんですねぇ。


それにしてももう一度大画面で観たいものです。
それも出来得れば『スター・ウォーズ』の一作目と二本立てか、或は『レイダース/失われた≪聖櫃≫』と三本立てでもいいなあ。
あの頃の夢みる自分に帰りたい…。


【ひとこと】
エンタープライズ号とR2-D2を探せ!


by odin2099 | 2015-05-08 21:50 |  映画感想<マ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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